1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトD群不死化抑制遺伝子のマッピングとポジショナルクローニング
Project/Area Number |
10771296
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鈴木 敏和 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (70270527)
|
Keywords | 不死化抑制遺伝子 / マッピング |
Research Abstract |
DT40細胞の高効率な遺伝子相同総換え能力を利用して、特定領域のみを欠失したヒト7番染色体を含む雑種細胞を作製し、D群不死化抑制遺伝子のマッピングを計画した。しかし、分離されたヒト7番染色体(neo耐性遺伝子で標識されている)を含む雑種細胞(10クローン)は、増殖が非常に遅いことや形態変化を起こしたことから、使用が困難であった。他のヒト染色体を含む雑種細胞の増殖は正常なことから、ヒト7番染色体上のある遺伝子がDT40細胞の増殖を抑制する、または細胞老化を誘導する可能性が考えられた。これら雑種細胞クローンを2〜3か月継代したところ、偶然に増殖を回復したクローン(DT40-7R)が分離された。DT40-7Rより微小核細胞を調製し、Met5A細胞と融合を行ったところ、1つのG418耐性クローンが分離された。さらに、このクローンは約30回分裂した後、細胞老化が誘導された。今後、DT40-7Rの老化誘導の再現性を確認し、染色体改変とマッピングを再開する。 平行して、以下の手法を用いたマッピングも行っている。これらの成果から、染色体改変により欠失させる領域を絞り込めると予測している。 1. 目的遺伝子領域を含むヒト7番染色体断片を2〜3Mb持つマウスA9由来放射線雑種細胞が既に分離されている。この細胞のヒトDNA由来転写産物をサブトラクション法により分離し、雑種細胞に含まれるヒトDNA断片が7番染色体のどの領域を含むかを明らかにする。 2. 7番染色体の導入により分裂停止した細胞より、増殖を再開したクローンを複数分離した。これらクローンは、導入された7番染色体の一部が欠失していることが予想される。STS解析により、増殖再開クローンで共通して欠失している領域を同定し、目的遺伝子の領域を限定する。
|