1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771311
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
花田 賢太郎 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (30192701)
|
Keywords | スフィンゴ脂質 / スフィンゴシン / セリンパルミトイル転移酵素 / ペプチド親和性クロマトグラフィー / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
スフィンゴ脂質生合成の初発ステップを担う酵素・セリン-パルミトイル転移酵素(SPT)は、少なくとも二種類のサブユニット(LCB1,LCB2)から構成される膜蛋白質である。SPTの精製が未だ成功しておらず、この酵素のサブユニット組成および触媒反応の詳細は解明されていない。そこで、この膜結合型複合酵素を極めて効率よく精製する方法を遺伝子工学的手法を取り入れて開発した。すなわち、先ず、FLAGペプチドおよびHis_6配列を付加したLCB1蛋白質を発現するベクターを構築し、内在性LCB1蛋白質が欠損したCHO細胞変異株(LY-B株)に遺伝子導入した。そして、得られた細胞株の膜画分から可溶化し、FLAG抗体クロマトグラフィーおよびNi-NTAクロマトグラフィーに供して、SPTを均一にまで精製した。精製SPTを解析した結果、本酵素はLCB1蛋白質とLCB2蛋白質が一対一の比で会合している複合酵素であることが明らかにした。さらに、生体中のスフィンゴシシの鎖長が主に18であることの原因は、SPTのアシルCoA選択性に起因することを示した。また、アミノ酸基質L一セリンのアミノ基、カルボキシル基、水酸基の全てが、SPTの基質認識に必須であることを明らかにした。しかし、興味深いことに、D一セリンは酵素基質とはならないが、SPT反応を競合的に阻害することを発見した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Kentaro Hanada: "Purification of the serine palmitoyl transferace complex responsible for sphingoid base synthesis by using affinity peptide chromatography techoigues"The Journal of Biological Chemistry. 275(印刷中). (2000)
-
[Publications] Kentaro Hanada: "Specificity of inhibitors of serine palmitoyl transferace,a key enzyme in sphingolipid biosynthesis,in intact cells"Biochemical Pharmacology. (印刷中). (2000)
-
[Publications] Kentaro Hanada: "Neutial sphingomyelinase activity dependent on Mg^<2+> and anionic phospholipids in the intraerythrocytic malaria parasite Plasmodium faleipanem"Biochemical Journal. 346(印刷中). (2000)
-
[Publications] 花田賢太郎: "哺乳動物細胞におけるスフィンゴ脂質の生合成と細胞内輸送"蛋白質核酸酵素. 44. 1200-1206 (1999)
-
[Publications] 花田賢太郎: "セラミドの生合成と細胞内輸送"生化学. 71. 1239-1243 (1999)
-
[Publications] 花田賢太郎: "膜脂質微少ドメイン(リピド,ラフト,カベオラ・ドメイン)の分子基盤と局所的情報伝達"実験医学. 17. 1888-1894 (1999)