1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗生理活性物質抗体の構造解析と機能性ペプチド分子創生への応用
Project/Area Number |
10771315
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
富岡 佳久 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00282062)
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Keywords | グリチルレチン酸 / 抗体遺伝子 / コンビナトリアルライブラリー / 生理活性物質 / CDR |
Research Abstract |
抗生理活性物質表体遺伝子をクローニング、反応特異性に密接な可変部領域の塩基配列を決定し、それぞれの化合物との反応に重要なアミノ酸構造を明らかにする。またCDR部位に変異を入れたランダム突然変異ライブラリーを作製し、ハイブリドーマ法を代替えする抗体作製法に応用することを目的として、抗体産生ハイブリドーマ細胞(抗グリチルレチン酸(GA)抗体産生細胞)から抗体遺伝子をクローニングした。すなわち、ハイプリドーマ細胞より常法に従って、総RNAを抽出し逆転写酵素を用いて単鎖cDNAライブラリーを作製した。次いで抗体遺伝子可変部領域を特異的に増幅できるプライマーセットを合成し、PCR法を用いてVH遺伝子及びVL遺伝子をそれぞれ増幅後、DNA断片末端を制限酵素を用いて処理し、順次大腸菌ファージディスプレイファジェミドDNAであるpComb3にライゲーションし、コンビナトリアルライブラリーを作製した。ライブラリーを大腸菌XL-1Blueにエレクトロポレーションで導入後、ファージディスプレイライブラリーに誘導し、PEG沈殿法により濃縮した。GA-BSAコンジュゲートを用いたパンニング法によりさらにファージを濃縮した。濃縮したファージを大腸菌に感染、クローン化した後、再びファージディスプレイに誘導し、各クローンファージとコンジュゲートの反応特異性をファージELISAで検討し、それらのクローンの中でGA-BSAコンジュゲートとの選択的反応性に優れるGA14-1を得た。蛍光、法により挿入されているVH及びVL遺伝子配列を決定した(遺伝子バンク登録番号:AF006832)。遺伝子バンクとのホモロジー検索・解析の結果、反応特異性に寄与しているのはVH鎖の方であることが示唆された。
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