1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子疾患を標的とした新機能アロステリックリボザイムの新創製と機能解析
Project/Area Number |
10771317
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥野 恭史 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (20283666)
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Keywords | リボザイム / フラビン / RNA / 活性発現制御 / 塩基対形成 / 基質切断活性 / 構造変化 / 速度定数 |
Research Abstract |
我々は新機能RNAリボザイムの合理的分子設計として、ハンマーヘッド型リボザイムのステムループII部分にフラビン結合部位を導入し、フラビン分子(FMN)によるリボザイム活性の発現制御に成功した。そこでこの発現制御機構について報告する。新規創製リボザイムの基質切断活性のみを評価するためにSingle tumover条件下で測定を行い、リボザイムの一次速度定数をFMN存在下、非存在下で各々k20bs,k2として算出した。その結果、k20bsの値がk2と比較して最大6倍もの値を示した。次に、基質切断活性のFMN濃度依存性を調べた結果、活性はFMN濃度の増加と共に上昇するが、次第に飽和していく現象がみられた。この飽和現象は、FMNが確実にそのアプタマーに結合していることを示しており、またこれより求まるKd値として適当な値が得られた。これと同時に、FMN-リボザイム複合体の速度定数であるk2'値が求まるが、この値はk2値と比較して10倍以上もの値を示したことから、FMNはリボザイムの切断段階に作用していることが示された。また、FMNによるキメラリボザイムの構造変化を確かめるために、特にステムII部分の塩基対形成の有無に注目して、FMN存在下、非存在下で構造的相違を鋭敏に検知する化学修飾法(ゲル電気泳動法)を用いて検討を行った。その結果、FMN存在下ではステムII部分の塩基対形成が認められ、非存在下では塩基対の形成が弱いことが確認された。したがってこのフラビンスイッチ型リボザイムは、フラビン分子の結合によりステムII部分の塩基対形成が誘導され、この構造変化が活性発現につながったものと考えられる。
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[Publications] Araki,M.: "Allosteric regulation of a ribozyme activity through ligand-induced conformational change" Nucleic Acids Research. 26・14. 3379-3384 (1998)
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[Publications] Sugiura,Y.: "Selective cleavages of tRNA_<phe> with secondary and tertiary structures by enediyne antitumor antibiotics" Bioorganic & Medicinal Chemistry. 5. 1229-1234 (1997)