1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771319
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋本 喜夫 九州大学, 大学院薬学研究科, 助手 (50253472)
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Keywords | ニワトリリゾチーム / マウスリゾチーム / キメラタンパク質 / ランダム変異 |
Research Abstract |
タンパク質を薬として投与する場合、免疫現象を抑えることが必須であり、ヒト型化が有効である。しかし、ヒトを対象に初めから研究を開始することはできない。そこで先ずは、マウスを対象に、マウス型化のノウハウを蓄積することとした。詳細に研究されているニワトリリゾチームのマウス型化の手始めとしてニワトリとマウスのリゾチームの安定で活性を有するキメラの作製を試みた。つまりニワトリリゾチームのアミノ酸残基81番目と82番目の間で互いに入れ替えた。後半がマウスのキメラ(HM)は立体構造を保持できなくて活性がないことをすでに見いだしているので、ランダム変異をかけ活性が回復したものを得ようと考えた。まず酵母から効率よく分泌させるため、HM遺伝子の上流にアルファ-ファクター1ペプチドホルモン分泌シグナル配列(αFsig)を付加した。このαFsig+HM遺伝子に対してマンガン存在下でのPCRを行い、ランダム変異を誘発した。この遺伝子ライブラリーを制限酵素SalIとBamHIを使って酵母発現ベクターpHA394のPHO5プロモーターの下流に導入し、その後スフェロプラスト法により酵母AH22の形質転換を行った。そして酵母形質転換体(約1000コロニー)を溶菌活性測定用プレートに移し、30℃で約3日間培養した。その結果、活性の回復した形質転換体が2種類得られ、その変異箇所は、DNA配列決定によりAsn27Asp及ひVall09Alaと確認された。以後この2種類の変異HMタンパク質を大量に単離精製し、諸性質を調べる予定である。
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