1998 Fiscal Year Annual Research Report
MRI造影剤を指向したオリゴアミノ酸誘導体を用いた希土類錯体の合成と評価
Project/Area Number |
10771321
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三宅 弘之 大阪市立大学, 理学部, 講師 (00271198)
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Keywords | MRI / 造影剤 / Gd / ガドリニウム / アミノ酸 / 希土類 / 錯体 |
Research Abstract |
現在4種類のGd(III)錯体がMRI造影剤として臨床的に使われている。それらは鎖状または環状のリガンド、イオン性錯体かまたは非イオン性錯体に分類することができる。申請者は新しいタイプとして鎖状、非イオン性でしかも光学活性なGd(III)錯体の可能性を提案する。光学活性な錯体は組織選択性を持つ造影剤として期待される。アミノ酸誘導体を配位子とするGd(III)錯体のMRI造影剤としての可能性を探るために、種々の配位子をデザインし、合成した。当初配位子として計画していたトリスアミノ酸は酸解離定数を求めるために配位子だけを合成するには不適切であることがわかったので、新たな配位子をデザイン、合成する必要が生じた。配位子としてビスアミノ酸誘導体、N-[(S)-1-carboxy-2-(imidazol-4-yl)ethyl]-N'-[(S)-1,2- biscarboxyethyl]ethylenediamineとそのN,N'-ビスピコリル誘導体を(S)-histidineと(S)-aspartic acidからglyoxalとの縮合によって得、精製、単離することに成功した。 これらの配位子の酸解離定数およびGd(III)錯体の安定度定数は現在測定評価中である。また一方、トリスアミノ酸誘導体、N,N-Bis-(2-N'-((S)-1-carboxy-2-(imidazol-4-yl)ethyl)amino)ethyl)-(S)-leucineおよびN,N-Bis(2-(N'-((S)-1-carboxy-2-(imidazol-4-yl)ethyl)amino)ethyl)glycineの合成ルートの確立にも成功した。現在測定に耐えうるだけの量を得るため大量合成の最中である。今後安定度定数の高い錯体について水の緩和時間測定を行いMRI造影剤としての評価をしていく予定である。
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