1999 Fiscal Year Annual Research Report
MRI造影剤を指向したオリゴアミノ酸誘導体を用いた希土類錯体の合成と評価
Project/Area Number |
10771321
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三宅 弘之 大阪市立大学, 理学部, 講師 (00271198)
|
Keywords | MRI / 造影剤 / Gd / ガドリニウム / アミノ酸 / 希土類 / 錯体 / 緩和時間 |
Research Abstract |
現在MRI造影剤として臨床的に使われているガドリニウム(III)錯体は、鎖状または環状のリガンドを用いた、イオン性錯体かまたは非イオン性錯体に分類することができる。申請者は新しいタイプとして鎖状、非イオン性でしかも複数の不斉点を持つ光学活性なガドリニウム(III)錯体の可能性を研究してきた。光学活性なガドリニウム錯体はある組織に対して選択的に働く造影剤として期待される。アミノ酸誘導体を配位子とするガドリニウム(III)錯体のMRI造影剤としての可能性を探るために、種々のタイプの配位子をデザインし、合成した。前年度研究したビスアミノ酸誘導体、N-[(S)-1-carboxy-2-(imidazol-4-yl)ethyl]-N'-[(S)-1,2-biscarboxyethyl]ethylenediamineとそのN,N'-ビスピコリル誘導体のガドリニウム錯体に対する研究に引き続き、トリスアミノ酸誘導体、N,N-BiS-(2-N'-((S)-1-carboxy-2-(imidazol-4-yl))ethyl)amino)ethyl)-(S)-leucineおよびN,N-Bis(2-(N'-((S)-1-carboxy-2-(imidazol-4-yl)ethyl)amino)ethyl)glycineを(S)-ヒスチジン、(S)-ロイシンまたはグリシンとglyoxalとの縮合によって合成し、精製ルートを確立した。それら配位子を用いたガドリニウム(III)錯体を合成し、元素分析、質量分析、IRにより錯体の同定を行った。X-線結晶構造解析を行い、固体状態での構造を決定した。また、ポテンシオメトリー法により錯体の安定度定数を求め、さらに、水のNMR緩和時間測定を行いMRI造影剤としての評価を行った。
|