1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771332
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上村 隆元 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10232795)
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Keywords | 産業保健 / 医療経済 / 評価 / 便益 / 効果 / 効用 |
Research Abstract |
【目的】産業保健の企業経営に対する寄与性を医療経済学的に検討する。 【こにれまでの研究実績】大学研究者、実務担当者ならなる研究班を作成し、以下のようなステップで研究を進めた。実際のコストと結果に関するデータは対象15企業から得た。 1、 産業保健活動の定義および効果測定変数の策定 2、 データフォーマットおよび効果測定変数の便益への換算式検討、収集解析手順の決定 3、 調査対象企業を製造業中心に15社絞り調査 4、 実証的データ収集および実地調査 5、 効果測定変数の便益への換算式の再検討およびデータの代入・解析。 6、 産業保健活動の“効果系"の調査 7、 費用分析、費用効果分析、費用便益分析、費用効用分析 8、 欧米での研究結果との比較、考察 【こにれまでの結果】 上記ステップの5までを終了した。従業員ひとりあたりの産業保健コストは平均392000±314000円、Rangeは69000-967000円、中央値は287000円であった。産業保健の効果の評価方法として、総括労働衛生管理者、労働衛生管理担当者、一般従業員の3つの異なる立場から、それぞれに適応したアンケート調査により、その達成度をみた。結果を指数化してコストとの間の相関をみたがr^2=0.009で相関は低かった。費用分析の結果、費用の細分類項目毎に対象企業によって判断がばらつき計上する費用の特定が非常に難しかった。今後費用の精密な調査にあたりProspectiveな視点から年間に発生した費用を計上する方法を用いて、来年度はこの結果に基づく費用効果、費用便益分析に繋げていく予定である。
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