1998 Fiscal Year Annual Research Report
若年発症糖尿病の放置と治療中断がおよぼす医療経済への影響
Project/Area Number |
10771334
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
奥平 真紀 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70297513)
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Keywords | インスリン非依存型糖尿病 / 若年発症糖尿病 / 合併症 / 治療中断 |
Research Abstract |
小児期発症糖尿病の多べはインスリン依存型糖尿病(IDDM)であるため、小児期発インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)に対してはこれまで比較的重要度の認識が低く、治療を含む自己管理の標準化がおくれでいた。 1980年から1998年までに東京女子医科大学糖尿病センターを受診した18歳未満発症インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)患者は283名いた。この患者を対象に今年度は治療中断歴の有無を調査し、治療中断が合併症の発症にどのような影響を与えているかを調査した。治療中断は、糖尿病と診断されてから、当センター初診までの間に、すくなくとも1年以上いずれの医療機関へも受診していないことと定義した。合併症はは神経障害、網膜症、腎症に限って調査し、それぞれ3段階にスコア化した。なしを0点、重症神経障害を3点、増殖網膜症を3点、顕性腎症を最大の3点とした。 治療中断群は91名だった。この群を治療継続群とくらべたところ、発見年齢、性差、当センター初診時の血糖コントロールには有意差はなかった。しかし、合併症ありが中断群に有意に多く (p<0.0001)、中断群の方が有意に合併症スコアが高得点化していた(p<0.0001)。これは罹病期間を一致させたマッチドぺア解析でも有意にこの差異は明らかとなった。治療中断がNIDDMのいずれの合併症発症にも強く関連していることが判明した。
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