1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771348
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
河野 緑 東京慈恵会医科大学, 臨床検査医学講座, 助手 (00225385)
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Keywords | パルスフィールドゲル電気泳動 / ゲノムDNA / 遺伝的多形性 / 疫学マーカー(細菌) |
Research Abstract |
MRSA菌株の変異とゲノム型について、カジトン培地、カジトン培地にCAZ(セフタジジム)を添加した培地、カジトン培地に健常ヒトプール血清を添加した培地、カジトン培地に健常ヒトプール血清およびCAZを添加した培地、健常ヒト尿、および健常ヒト尿にCAZを添加した培地で、試験管内培養を行い、株の変化を溶血性の変化(不溶血株→溶血株)およびゲノム型別を行った。 その結果、尿が含まれている培地では50%の株が溶血性株に転じており、その他の構成培地では、溶血性に転じた株は0〜0.08%の割合であった。尿+CAZの培地構成で培養された株より得られた溶血性株に転じた9株のうち1株に2バンドのバンドパターン変化がみられた。また、カジトン培地、カジトン+血清の培地構成による培養で得られた溶血性株にも3バンドのバンドパターン変化がみられた。いずれも1個の遺伝的な変化により引き起こされると考えらた。また、不溶血性株にはバンドパターンの変化は見られなかった。 おそらく変異はランダムに起こり、変異を起こした株の中に偶然溶血性を変化させる遺伝子部分が含まれていたもので制限酵素(SmaI)認識部位に変異が起こった株にバンドパターンの相違が見られたと想像された。 一方、ICR系SPFマウスにMRSA株を感染させると腎内に定着することが確認できた。 感染後腎内より回収を行ったところ溶血性に転じた株が見られなかった。現在、回収した菌株のゲノム分析を行っているが、今後薬剤の投与量や菌量を変えることも検討課題である。
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