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1998 Fiscal Year Annual Research Report

レチノイン酸の血管平滑筋細胞増殖・分化に対する効果の検討及びその情報伝達系の解析

Research Project

Project/Area Number 10771351
Research InstitutionKansai Medical University

Principal Investigator

小坂 知也  関西医科大学, 医学部, 助手 (10298862)

Keywordsレチノイン酸 / 血管平滑筋細胞 / ラット / 増殖 / 分化 / 情報伝達系 / 動脈硬化症
Research Abstract

本研究の目的はレチノイン酸(RA)の血管平滑筋細胞(SMC)の増殖・分化に対する生物学的効果とその情報伝達系を検討し、動脈硬化症などの血管病の薬物的制御への適用の可能性を探ることである。今年度明らかにし得た内容の概略を以下に示す。
RAは細胞傷害性やアポトーシスを介することなくラット培養SMCの増殖を50-70%程度抑制することを明らかにした。酵素処理法により単離したSMCを用い、培養系で再現した脱分化過程においても増殖を抑制するとともに、分化のマーカーであるSMC特異的αアクチンの発現を正に制御したことから、RAのSMCに対する分化誘導効果を立証した。当初の予定に含まれていた蛋白合成能と細胞肥大の検討はシステム整備の遅れにより、準備の段階にとどまった。
分子機構の解析を目的として、必須の増殖シグナルとして知られるmitogen-activated proteinkinase(MAPK)の活性化状態を検討したが、増殖抑制効果に対応する影響を認めなかった。またMAPKの下流に位置すると考えられるc-fos,c-junの発現も同様であった。増殖因子受容体のダウンレギュレーションの可能性についてbasicFGF受容体発現を検討したが、影響を認めなかった。次にGl/S期移行の重要な調節因子であるサイクリン依存性キナーゼ(cdk)活性を免疫沈降物の基質リン酸化活性として測定したところ、cdk2,4,6の活性が有意に抑制されることを見出した。活性構成成分である各cdk分子とサイクリンD1の発現を検討したところ、サイクリンD1の発現は変化なかったが、cdk2,4,6の発現は抑制傾向を認め、現在検証中である。
以上の結果の一部を第一回日本血管細胞生物学会(東京,1998)、Xth International Vascular Biology Meeting(Cairns,1998)において報告した。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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