1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10771363
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉谷 優子 大阪大学, 医学部, 助手 (80294106)
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Keywords | 精神障害 / 精神病 / 地域ケア / 地域ケア施設 |
Research Abstract |
精神障害者地域ケア施設の理念や設立の経緯、維持・運営と援助の方法の関係に関するこれまでの文献を検討をはじめたところ、当初平成11年度に行う予定であった分析に活用しようと考えていた法や制度による時代区分は有用であると考えられた。また、文献は看護学の分野よりも、精神障害者の家族や精神障害者、福祉・保健・医学の分野のほうが古くから精神障害者地域ケア施設に着目したものがみられ、今後、より幅広い分野からの文献検索と整理・分析が必要と考えられた。さらに、今日でも施設数や支える制度の地域間格差が激しいことや、地域住民との摩擦もなお多く見られることがわかった。 タイプの異なる精神障害者地域ケア施設(小規模作業所・グループホーム・デイケア・援護寮・授産施設など)について法や制度の変遷を検討するなかで、精神障害者地域ケア施設のタイプの分け方として、当初から考えていたような対応する制度による区分以外にも、主に設立の経緯・理念による区分の可能性が示唆された。これを、制度の変遷の歴史と重ね合せると、おおよそ、精神障害者の家族が設立したり設立に重要な役割を果たした施設ができ、その後ケアに従事していたスタッフが理念を実践に移すべく設立した時代が続き、精神障害者本人たちが運営上役割を果たすケア施設ができたといえるが、これらに地域間格差があったり、以前に設立されたケア施設も活動を続けていて、いろいろな経緯・理念の施設が混在して現在に至っている。 今後、より幅広く文献の検索・整理をつづけ、制度の変遷の歴史との関係を検討したい。
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