1998 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の在宅ターミナルケアに関する研究-訪問看護の実態から-
Project/Area Number |
10771368
|
Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 愛子 山口県立大学, 看護学部, 助手 (10285447)
|
Keywords | 高齢者 / ターミナルケア / 訪問看護 |
Research Abstract |
山口県における高齢者の在宅ターミナルケアの実態を明らかにする目的で、訪問看護婦を対象に面接を行った。対象となった訪問看護婦は、山口県内の訪問看護ステーションおよび医療機関の訪問看護部で高齢者の在宅ターミナルケアに携わっている6施設11名であった。面接は(1)対象となる疾患の状況(2)看護婦が行っているケア(3)看護婦が行いたいと思っているが実行できないケアの3点に焦点をあてて行った。 調査結果の概要は以下のとおりである。 実際に在宅ターミナルケアが行なわれた、あるいは現在行なわれている13名の患者(男性6名・女性7名)の様子を聞き取った。年齢は67歳から93歳まで分散しており、平均年齢は84.2歳であった。癌の患者は6名で、7名は呼吸器疾患や心不全、脳梗塞の後遺症等であった。13名のうち3名に痴呆が見られた。 訪問看護の内容は生活全般にわたるサービスが提供されていたが、特に目立ったのは排泄(浣腸・摘便・ポータブルトイレへの介助・おむつ交換・バルーンカテーテル管理等)の援助、清潔・寝衣交換(清拭・足浴・更衣・洗髪・入浴等)の援助であった。診療の補助業務(酸素療法の援助、蓐瘡の手当て、疼痛コントロール等)も重要な役割をしめていた。 面接では医師との連携の重要性が語られた。一方創傷の手当ての一部分でも、看護婦の独自の判断で行えることができれば、患者のニードに素早く対応できるのに、といったジレンマも語られた。 この結果を基に、次年度は質問紙を作成し、調査を行う予定である。
|