1998 Fiscal Year Annual Research Report
障害児母子の小学校就学前後の体験とそれに関わる専門職者の介入と連携
Project/Area Number |
10771369
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
濱田 裕子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助手 (60285541)
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Keywords | 在宅障害児 / 養育体験 / 小学校就学 / 母親 |
Research Abstract |
在宅障害児の小学校就学前後における母親(介護者)の養育体験を明らかにすること,さらに就学に関与している専門家の介入の実態を明らかにすることを目的に,障害児母子の生活場面への参加観察と母親への半構成的面接を実施し,帰納的記述的に分析しているところである. 対象者は地域で生活する障害を持つ子どもの母親5事例で,母親の年齢は33歳から40歳で,平均36.4歳であった.子どもの疾患は脳性麻痺が3名,先天性筋ジストロフィー1名,二分脊椎1名で,障害の程度は重度重複障害児が3名,心身障害児手帳1種2級の肢体不自由を主とする障害をもった児が2名であった. 結果として母親の養育体験は,就学前は出産から就学に至るまでの経過と密接に関連しており,《児の障害の認識から退院までの時期》《退院後在宅生活を始めた時期》《療育施設通園の時期》《就学準備期》の時期に分けられた.《障害認識から退院までの時期》では,児の障害を受けとめること自体がつらい体験であり,《在宅生活を始めた時期》は[初めての障害児の養育の模索]を行っていた時期であり,《療育施設通園の時期》は[その子なりの成長発達を捉え,自己の養育の方向性を見出す]時期であった.《就学準備期》は母親たちが児の就学を考え始めた頃とし,その時期は就学の半年から1年半前位からであった.就学前に教育相談や就学相談を通して新しい分野の教育専門職と出会いアドバイスを受けていた.就学の選択決定までに母親は,いくつかの学校や条件の中で迷いながら,療育通園施設のスタッフや父親等の家族やピアに相談しアドバイスを受けたりしながら,最終的には[児の状況にあわせた母親も子どもも無理しない選択]を行っていた.今後は継続して就学後の生活の変化・母親の体験を就学前と同様の方法で明らかにすると共に,専門職を対象に面接調査を行う予定である.
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