1998 Fiscal Year Annual Research Report
トレーニング効果を最大にするトレーニング方法の開発
Project/Area Number |
10780012
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
久埜 真由美 お茶の水女子大学, 文教育学部, 講師 (60292801)
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Keywords | トレーニング / 適応過程 / モデル / 時足数 |
Research Abstract |
健常な女子大学生5名を対象に、年齢から推定した最高心拍数の75%に相当する負荷(以下、PWC75%HRmax)でのトレーニングを1回につき60分間、週5回、1ヶ月間行った。日々のトレーニング前に行う形態計測、安静時および運動時の心拍応答から、トレーニングによる適応過程を調査した。トレーニング期間中の測定項目としては、体重、インビーダンス法および2点の皮下脂肪厚から推定した体脂肪率、安静時心拍数を調べた。またトレーニング強度であるPWC75%HRmax(その測定は最大下運動負荷試験により行われるで疲労の影響は少ない)の日々の変化も調査した。コントロール群4名については、トレーニングは行わず同様の測定を1ヶ月継続した。本年度はデータ取得を中心に行い、その一部を解析したところ以下のような知見が得られた。各測定項目の1ヶ月分のデータ、すなわち20点の時系列データを1次回帰モデルにより評価したところ、得られた適応過程のトレンドに個人差がみられ、1カ月という短期間のトレーニングにおいても、有酸素性作業能力の指標であるPWC75%HRmaxの変化率に差が生じた。次に、得られた時系列データのうちトレーニング量(その日の運動時心拍数)を入力、トレーニング期間中の各測定項目を出力とした数学的モデル(Morton et al.1990)を用いて、両者の関係をモデル化した。このモデルは、各測定項目の変化をトレーニングによるプラスの影響とマイナスの影響の2つの拮抗する関数の差とするものであった。その結果、プラスの影響の時定数は6〜28日、マイナスの影響の時定数は3〜28日で、両者の大小関係は被検者によって異なっていた。これらから、1カ月という短期間のトレーニングにおいても、1次回帰モデルによる評価で示された適応過程の個人差が、モデルの時定数という数値として評価することが可能であることが示唆された。
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