1999 Fiscal Year Annual Research Report
水泳中のストローク技術の評価-疲労との関係.トレーニングの干渉による変化-
Project/Area Number |
10780020
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
生田 泰志 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (30243281)
|
Keywords | 水泳 / 泳速度 / 1ストローク・サイクル |
Research Abstract |
[目的] 水泳中の泳速度は巨視的にはほぼ一定の速度を維持していると考えられるが、実際には1ストローク・サイクル中に加減速をくり返している。したがって、1ストローク・サイクル中の泳速度変化を解明することはストローク技術の改善に有効となることが考えられる。 本研究では、水泳中のストローク技術を評価するために、バタフライ種目を対象として、疲労と水泳中の泳速度変化パターンの関係について検討することを目的とした。 [方法] 1)被験者:大学水泳部に所属する選手とした。 2)泳速度の測定:被験者は全ての試技において、腰部に装着したベルトに取り付けたマーカーを牽引した。泳速度の測定には速度測定器(三協インタナショナル社製,LAVEG-Sports)を使用し被験者が牽引するマーカーの速度を測定した。得られたデータはコンピュータ(Apple社製,Power Mac G3MT266)に取り込んだ後に速度解析用プログラム(SPINOUT社製,Nal)を用いて処理した。 3)試技:200mレースをシュミレーションし、25m毎に5秒の休憩を挟み、連続して8回の全力泳を実施した。 4)血中乳酸値の測定:簡易血中乳酸測定器(京都第一科学社製、ラクテート・プロ)を使用し、安静時と各試技終了後に測定した。 [結果および考察] 試技終了後の血中乳酸値は、全ての被験者について13mmol/lを越えており、試技の進行に伴い疲労が蓄積されていったことが考えられる。そこで、1、2回目と7、8回目の試技を比較した結果、疲労の少ない1、2回目にはストローク前半とストローク終了後の2度、速度のピークが現われた。しかし疲労の蓄積された7、8回目ではストローク終了後には速度のピークがみられなかった。 以上のことから、疲労時に泳速度を維持するためには、ストローク後半からリカバリーにかけてのストローク技術が重要であることが示唆された。
|