1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本のスポーツ応援文化の研究-プロ野球私設応援団を対象にして
Project/Area Number |
10780021
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
高橋 豪仁 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (40206834)
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Keywords | スポーツ / 応援 / プロ野球 / 私設応援団 |
Research Abstract |
日本のプロ野球の私設応援団の下位文化を明らかにすることを研究目的とし、以下の調査を実施した。 1. 質問紙調査法による観客調査:1998年7月4日に、グリーンスタジアム神戸で、当日オリックスのホームゲームを見に来ている観客を母集団とするアンケート調査を実施した。サシプリングは層化二段(性・年齢)無作為抽出法を用い、調査対象を自記式調査が可能な男女918人とした。回収した有効な質問票は910票であり、有効回収率は99.1%であった。オリックスファンに限定して、私設応援団員とその他の観客とを比較したところ、応援団員はチームへのロイヤルティが高く、スタジアムへの来場回数が多いことが分かった。なお、今回実施した調査の結果の一部は、1998年9月9日付毎日新聞夕刊、12頁、3版に掲載された。 2. 私設応援団の参与観察:応援団員と出来事の体験を共有し、現場に流れる時間のリズムやテンポに身を添わせることを通して、私設応援団の社会と文化を丸ごと理解しようとする参与観察法を用いた。オリックス・ブルーウェーブ球団公認の私設応援団である「オリックス応援会」のスタジアムでの応援の観察、同会が主催するパーティ(1998年11月22日)への出席、会長の河内氏への数回に渡るインタビュー調査を実施し、「オリックス応援会」のメンバー構成、会の規約、阪急時代からの変遷などが明らかになった。私設応援団の参与観察のもう一つのフィールドとして、全日本広島東洋カープ私設応援団連盟の関西支部に所属する「神戸中央会」を取り上げた。1998年11月に同会に入会し、12月より定例会等の集会に出席し、聞き取り調査を実施している。来年度は応援活動に同行するなどして、更にこの集団に深く入り込むことによって情報を得、カルチュラルスタディの視点から、いかにして彼らの文化が再生産されているのかを検討したい。
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