1998 Fiscal Year Annual Research Report
アナボリックステロイドの大量投与がトレーニングラットの生体に及ぼす影響について(骨格筋、内臓の組織と内分泌学的検索を中心として)
Project/Area Number |
10780033
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
立木 幸敏 国際武道大学, 体育学部, 助手 (20255178)
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Keywords | Anabolic-androgenic・Steroid / doping / rat / histology / training / endocrinology / side effect |
Research Abstract |
Wistar系雄ラット(6週齢)を37匹を用い、1週間の予備飼育の後、実験を開始した。 方法については、実際にスポーツ選手らが行っているドーピングの現状にできるだけ合わせ、複数の薬剤投与(いわゆる「スタッキング」)を行い、いわゆる「ステロイドサイクル」を使用した実験を行った。A群(12匹)3種類を1週間に1回皮下注射をする群、B群(12匹)は1種類を1週間に1回皮下注射する群、そしてC群(13匹)を対照群とした。 薬剤の投与方法は投与・休薬・投与を繰り返す「ステロイドサイクル」の方法をとり6週間投与、4週間休薬とした。また屠殺時期に関しては、動物の行動に『躁』の所見が得られたところで各群半数屠殺(4週後)し、残りの半数は『鬱』の飼育所見が得られたところで屠殺(8週後)を行うこととした。このような精神状態の変化が現れることは前回の実験により観察されていたことから時期を決定した。 AAS投与4週後に『躁』の飼育所見が得られたので、それぞれの群の半数を屠殺した。また残りの半数は8週後に『鬱』の飼育所見が得らたところで屠殺をした。 屠殺においてはエーテル麻酔下で心臓より血液採取し、内分泌学的検索を行った。また屠殺後、骨格筋(長指伸筋、腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋、肛門挙筋)、肝臓、脾臓、腎臓、副腎、前立腺、睾丸を摘出し、その湿重量を測定した後、パラフィン切片から組織染色を行い組織学的検索を行った。 今回の実験により組織学的、内分泌学的に多くの知見を得た。心筋を例に取ると、副作用が原因と見られる変化は比較的早期に起こることが明らかになった。前回の実験で24週後に認められた心筋の多数の壊死巣は、すでに8週後に生じていることが明らかであった。 また、この実験系と並行して最適な運動負荷を見つける予備実験を行っており、現在進行中である。
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Research Products
(1 results)