1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10780042
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Research Institution | Yamano College of Aesthetics |
Principal Investigator |
早川 洋子 山野美容芸術短期大学, 美容保健学科, 講師 (60289981)
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Keywords | ムード / 音楽 / 音楽なし / 運動強度 |
Research Abstract |
運動が心理学的に及ぼす恩恵については、多くの研究者により報告されている(e.g. Lion, 1978 ; Morgan, 1970, 1985 ; Wilson, 1980 ; LaFontaine.T.P, 1992)。それらの研究は、気分が優れる、不安、抑鬱の減少または、自信、活力の増加などの報告をしている。次に音楽の心理学的効果については、音楽療法などに利用されている。そして、音楽の生理心理学的効果については、いくつかの研究で身体的な学習や筋持久力的にプラスの効果がある事を報告しているが、結果は様々である。 本研究では、健康な中年女性に音楽の様々な条件下で運動を行わせ、その時の運動と音楽が心理的に及ぼす効果を検討した。被検者は、健康な中年女性16名であった。1回当たり30分の自転車エルゴメータにて、音楽なし、音楽あり(前年度報告と同じ音楽の民謡、ベンチステッピングエクササイズ用音楽)の3条件で生理的、心理的指標(心電図 モニター、RPE(自覚的運動強度)、POMS(気分の変化)、FI、EIFI、WASEDA(feeling scale;感情の尺度)に影響を及ぼすのか?また、音楽の有無またはどんな音楽でも運動後に心理学的にプラスの効果があるのか?を物理的運動強度を等しくして検討した。結果として、音楽ありは、音楽なしより気分にプラスの効果が、さらに音楽ありの中では、民謡よりベンチステッピングエクササイズ用音楽は、よりプラスの効果がみられた。Anshel & Marisi(1978)は、運動と音楽が同期している方が、気分にプラスの効果が高かった事を報告している。ベンチステッピングエクササイズ用音楽は、運動と同期しているので、非同期音楽である民謡より気分にプラスの効果が高かったことが考えられる。結論として、音楽は、特に運動と同期しているものは、物理的運動強度を等しくした自転車運動においても気分によりプラスの効果がみられた。
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