1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10780044
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
太田 憲 理化学研究所, 制御系理論研究チーム, フロンティア研究員 (10281635)
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Keywords | クランク回転作業 / 安定性 / 作業スキル / 作業環境スキル |
Research Abstract |
複雑な作業環境の中での生体の巧みな運動制御機構を解明するため,クランク回転実験装置を用いた実験を行った.このときのクランク回転実験装置は,クランク軸に接続されているACサーボモータにより様々な力学環境(粘性抵抗等)を作りだした.またサーボモータはパーソナルコンピュータによって制御する.実験装置の回転半径の長さは,固定し拘束することも,スライドベアリジグにより半径方向にも無拘束で自由に動かすことも可能な装置とし,多様な環境を作りだす.また手先に働く力の計測を6軸力覚センサで,被験者の姿勢計測をで行い,これらの計測データをパーソナルコンピュータに取り込み,水平面リンクモデルにより関節に働く力やトルク等を推定した. このような実験環境のもとで,被験者に以下のような作業課題を行わせた. (1) 抵抗等を与えず(自由空間),被験者にクランク回転作業の学習を行わせる. (2) サーボモータによって粘性抵抗等をクランク軸に与え,様々な抵抗のもとで運動学習を行わせる. これらの実験結果(粘性抵抗下)から (I) 学習前,角速度の時間変化は二峰性の波形であるが,学習後にその谷が小さくなる. (II) 手先力は学習後に一見すると運動とは関係のないクランク内側方向(回転軸方向)を向いていた. という結果を得,これを安定性の観点から解析したところ,被験者はクランクを加速するため,クランク+ヒトのリンク機構のダイナミクスを不安定にしながら加速していることがわかった.
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