1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10780044
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
太田 憲 理化学研究所, 制御系理論研究チーム, フロンティア研究員 (10281635)
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Keywords | クランク回転運動 / 大脳基底核 / パーキンソン病 / 手先インピーダンス |
Research Abstract |
パーキンソン病患者のクランク運動の解析 天脳基底核に障害のあるパーキンソン病(PD)患者では,主として振戦・固縮・無動のような運動機能に障害が起こる.またPD患者は意識的・自発的に運動を行おうとすると運動できないが(無動),適当な音や視覚情報を与えると,運動することができるようになるというkinesie paradoxale現象が観察され,運動技能の獲得に基底核が重要な役割を果たしていることが知られている.そこで本年度は健常者とPD患者の被験者にクランク運動タスクをおこなってもらい,大脳基底核の運動機能と運動学習における役割を検討した.その結果 (1)腕の同時活動が観察された. (2)健常者と同様な回転軸向きの内力を使用していた. このことから,手先インピーダンスは高いが,手先力やリンク機構め安定性という面では健常者とあまり変わらないことがわかる,したがって適応という観点では健常者と変わらず,基底核は制御器というよりも,腕のインピーダンス調整に影響を及ぼしていることが推察され,このことが振戦やすくみ現象などの一因と考えられる.
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