1998 Fiscal Year Annual Research Report
中国の都市近郊農村における都市景観形成メカニズムの研究
Project/Area Number |
10780047
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野寺 淳 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50292206)
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Keywords | 中国 / 都市 / 農村 / 景観 / 開発区 / 土地 |
Research Abstract |
長江デルタ地域、南京市郊外の江寧県における都市形成に関係する比較的マクロな情報を収集・整理した。 1. 急速な経済発展 江寧県は長江の南岸に位置し南京市の南側に接する。全県の総面積は1.556.78km@S12@E1、人口は740.957人であり(1996年)、うち非農業人口は117.616人で前年比17.5%の伸びを見せている。域内総生産は64.67億元であり、18.3%の増加を記録している。農業を主体とした産業構造を大きく転換させ、高度経済成長の段階に入っていることが分かった。 2. 開発区の建設 江寧県を含む広域の南京市は、開発区(国家級1、省級8、市級22)を有し、内外の投資の誘致と産業の高度化を通じて、地域経済の発展を目指している。開発区はインフラの工場のみならず、関連する公共施設、商業施設、住宅などの建設・集積を促進させ、都市的な景観を急速に形成する。江寧経済開発区は省級のひとつで、1996年には70のプロジェクトを誘致し、総投資額や3.88億米ドルであった。 3. 土地に関する法規と政策 都市形成の一つのファクターとして「土地」に注目している。土地利用の変化が都市形成の指標となるばかりでなく、土地開発にともなう資金の流動と蓄積が都市形成の重要な動因となるからである。この地域においても、都市化の波に対する耕地保護の動きと、土地使用権の有償譲渡による地方財政強化・都市建設資金の動きが、同時に観察された。 4. 土地管理および土地利用調査の実態 都市部における地籍調査および郊外まで含めた土地利用調査がすでに進んでおり、一部のデータの時系列による整理やデジタル地図化も行われていることが分かった。本研究にとって有効な資料となろう。
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Research Products
(1 results)