1999 Fiscal Year Annual Research Report
現地調査資料とリモートセンシング技術の併用による焼畑土地利用史の実証研究
Project/Area Number |
10780053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 廉也 京都大学, 総合博物館, 助手 (20293938)
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Keywords | アフリカ / エチオピア / 焼畑 / 土地利用史 / 熱帯林 / 植生回復 / 空中写真 / リモートセンシング |
Research Abstract |
本研究の目的は、アフリカの熱帯森林における焼畑農耕を対象とし、衛星画像・空中写真解析などによるリモートセンシング技術を既得の現地調査資料と併用することよって、従来十分に明らかにされてこなかった焼畑農耕の土地利用サイクルに関する実証的な分析を行い、熱帯農業および熱帯林の環境問題にあらたな研究の可能性を切り開こうとするものである。 上記の目的に基づいて、基礎的な方法論的検討をおこなった計画初年度(平成10年度)に対して、最終年度の本年度は以下のような調査を実施した。 1.インテンシブ調査エリア(2集落)において、植生調査、土地利用史の聞き取り、過去の空中写真、地形図、衛星データおよび土地に残された遺物(石器など)の採取、などの多様な資料を用い、焼畑集落の移住史と森林環境動態の復原調査を実施した。 2.対照とした焼畑民の居住域全域において地名と土地の履歴の聞き取り調査を実施し、それを空中写真などの歴史資料と比較検討することによって、広域における前世紀末から現在までの当該焼畑民の移住史の復原研究をおこなった。 これらの研究の結果、焼畑の移住パターンの抽出と解釈には、異なる時空間スケールを考察の対象にする必要があることが明らかになった。同時に、移住の動態には生態学的要因のみならず、社会的要因を考慮にいれることが不可欠であることが明らかになった。これらの結果は、国際ワークショップや雑誌論文などの形で公表し、研究の目的は十分に達成されたと思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐藤廉也: "地方分権体制のエチオピアと辺境の民族-州境をめぐる紛争とある開発プロジェクトの崩壊"アフリカレポート. 30. 12-15 (2000)
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[Publications] 佐藤廉也: "熱帯地域における焼畑研究の展開-生態的側面と歴史的文脈の接合を求めて-"人文地理. 51(4). 375-395 (1999)
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[Publications] 佐藤廉也: "マジャンギルの二つの酒"JANESニュースレター(日本ナイルエチオピア学会). 8. 26 (1999)
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[Publications] Ren'ya SATO: "Evangelical Christianity,Villagization and Ethnic Consciousness among the Majangir.In Donham,D,.James,W.,Kurimoto,E.and Triulzi,A.(eds) Ethiopia and its Regions : The Socialist States and After"James Currey(Oxford) (in Press). (2000)
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[Publications] 佐藤廉也: "「焼かない焼畑-西南エチオピアの過疎的な焼畑技術」福井勝義編『焼畑再考』"昭和堂(印刷中). (2000)
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[Publications] 佐藤廉也: "北東アフリカにおける焼畑農耕社会とその変化に関する研究"京都大学文学研究科博士論文. 180 (1999)