1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10780063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小口 高 東京大学, 空間情報科学研究センター, 助教授 (80221852)
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Keywords | 地形 / 植生 / 侵食 / 斜面 / バットランド / DEM / 瀬戸 / 日本 |
Research Abstract |
本年度は研究の初年度にあたるため、最初にバッドランドの地形形成過程を考えるうえで重要な基礎知識の整理を行った。次に、いくつかの地域について地形データの取得と解析を行った。また、翌年度以降の研究に向けて準備を行った。 バッドランドは植生を欠く地域において、侵食で形成される地形である。そこで、植生を欠く地域における地形形成過程について、既存研究のレビューと既存データの整理を行った。主な対象地域は、森林を欠く地域が現在よりも拡大していた最終氷期の西日本と、中近東の砂漠地域である。その結果、植生と地質・気候との対応関係や、地形形成に対する古気候変動の影響が抽出された。次に、1984年の大規模崩壊により、植生を欠く斜面が広く拡大した長野県王滝村の濁川流域において、谷壁斜面に形成されたバッドランドの地形を調査した。また、戦後にいわゆるハゲ山が拡大し、バッドランドが形成されていた愛知県瀬戸地域を対象に、地形の解析を行った。最初に、当時撮影された空中写真とDPW(デジタル写真測量ワークステーション)を用いて取得されたDEM(デジタル標高地図)を用いて、詳細な地形分析を行った。次に、現地において斜面形や斜面構成物質の基本的な調査を行った。また、活発な火山活動により裸地が拡大していたと推定される鹿児島県姶良カルデラ周辺地域においても、斜面形や斜面構成物質の基本的な調査を行った。 現在、これまでに取得されたデータを整理するとともに、来年度以降の調査の計画立案を行っている。現時点では、愛知県瀬戸地域を重点的な調査地域に設定し、詳しい調査を継続する予定である。また、伊豆諸島神津島のバッドランドにおいて、詳しい地形調査を新たに開始する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Oguchi,T and Tanaka,Y.: "Occurrence of extrazonal periglaial landforms in the lowlands of Western Japan and Korea" Permafrost and Poriglatial Processes. 9-3. 285-294 (1998)
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[Publications] Oguchi,T and Oguchi,T.C.: "Mid Holocene floods of the Syrian Euphrates intened from tell sedimbuts" In Benifo,G,et al,(eds) Palaeohydrdogy and Environmental Change. wiley.307-315 (1998)
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[Publications] Oguchi,T. et.al.: "Preset-day geonorphic procestes and palaeohydrdogy in Cetral Japan." Post-Conference Field Trip Guide,GLOCOPH Conference.78 (1998)