Research Abstract |
北海道日高地方の6河川について,約12-13万年前以降に形成された河岸段丘面を,M1面,M2面,L1面群,L2面群,F面群に分類・区分した.段丘堆積物に挟在したり,段丘面を被覆するテフラの推定降下年代や,段丘堆積物中に挟まれる木片の^<14>C年代測定結果から,M1面は約12-13万年前,M2面は約10-9万年前,L1面群は約5-3万年前,L2面群は約2-0.9万年前,F面群は約0.9万年前以降に,それぞれ形成されたことが明らかになった.下流域でF面群下に埋没しているL2面群の一部については,既存のボーリング資料からその分布高度をできる限り明らかにした.以上の埋没段丘面を含む段丘面について,各河川基準点からの距離と分布高度との関係を求め,段丘縦断面形のデータ・ベースを作成した. 次に,これら日高地方の段丘面の地形的特徴を整理して地形分類の基準とし,北海道東部の常呂川・渚滑川・湧別川,東北地方の馬淵川,関東地方の荒川・久慈川,中部地方の豊川,近畿地方の宮川に発達する段丘面群の地形分類を,空中写真判読により行った.また下流域で沖積層下に埋没している段丘面を抽出するため,既存ボーリング資料の収集を行った.北海道東部3河川の下流域ではボーリング資料がわずかで,沖積層下の埋没段丘面を確認できていない.宮川では掘削長の大きなボーリング資料が少なく,2地点でL2面群相当面を確認できたのみであった.現地調査は,テフラにより段丘面の形成時代が確定できない荒川・豊川・宮川で実施した.これら流域においてL1・L2面群の形成時代を示すことを目的としたが,14C年代資料が得られず,形成時代を決定することはできなかった.
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