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1998 Fiscal Year Annual Research Report

洗浄機構に関わる流体力の検討-界面活性剤水溶液及びO/W型エマルションのレオロジー挙動-

Research Project

Project/Area Number 10780068
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

天木 桂子  岩手大学, 教育学部, 助教授 (80193019)

Keywords洗浄 / 界面活性剤水溶液 / O / Wエマルション / 粘度 / 流体力
Research Abstract

洗浄における汚れの除去機構を考える場合,洗液中の界面活性剤や洗浄補助剤による化学的作用とともに,外部から被洗物に与えられる物理的作用も非常に重要な要因を占めている.本研究は,物理的作用の一つである洗浄液の持つ流体力に着目して検討したものである,すなわち,水および各種界面活性剤水溶液といった洗浄前の溶液とともに,今回は特に汚れを含んだ洗浄後の溶液(O/Wエマルション)を対象として研究を進めた.
試料として,イオン交換水を用いて,界面活性剤(AE(23),AE(10),LAS,SDS,BC)を0.5w%または1.0w%に調製した水溶液と,オレイン酸を0.5%,1.0%,2.0%の割合で添加して調製したエマルション,さらに油性物質4種(オレイン酸,流動パラフィン,スクアレン,トリオレイン)について粘度を測定した.さらにその値からせん断速度,せん断応力を算出した.また,各溶液の表面張力の測定,エマルションの顕微鏡観察,コンピュータによる画像解析を行い,洗浄前の界面活性剤単独溶液および洗浄後のO/Wエマルションが持つ物性を明らかにし,洗浄作用にもたらす影響を探った.
エマルションの調製にはHomoMixerを用い,回転数1000-4000rpmで30秒ミキシングした.測定装置として,E型デジタル粘度計にコーンロータを装着して粘度,せん断速度,せん断応力を測定し,光学顕微鏡にデジタルカメラ,モニタを接続してエマルションの状態を観察し,さらに画像をコンピュータに取り込み,画像解析ソフトで油滴の面積,円相当径,面積率,個数などを算出した.
現在までに得られた結果は以下の通りである.
1. 画像解析の結果,各エマルション中の油滴はHomoMixerの回転数が低いほど大きいが数は少なく,回転数が高いほど小さくて数が多いという結果が顕著に現れた.粒子径は0-50μmの範囲であったが,特に0-5μmの小さい粒子がほとんどを占めた.
2. エマルションの粘度を測定した結果,HomoMixerの回転数の増加とともに粘度が低くなるという当初の予想とは異なった結果が得られた.さらに解析した結果,粘度に影響を与える要因として以下の2点が確認された.
a. 油滴が細かいほど水-油界面の表面積が増大するため粘度が高くなる.
b. 油滴がある程度大きくなると高粘度のオレイン酸の影響を受けて粘度が高くなる.
このことから,オレイン酸添加濃度が低いエマルションは要因aの影響が大きく,添加濃度が高いエマルションは要因bが支配的であることが明らかになった.しかし,この2点の要因が粒子径のどの段階でより大きく関わるのかを今後明らかにする必要性が認められた.

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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