1998 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ素、フッ素系高分子物質の乳化・可溶化および機能付与
Project/Area Number |
10780070
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 和吉 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (60270930)
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Keywords | シリコーン / フルオロカーボン / 乳化 / 可溶化 / マイクロエマルション / 人工血液 |
Research Abstract |
ケイ素およびフッ素系高分子物質は、化粧品、医薬品、表面加工剤など私たちの生活において幅広く利用されている。しかし、ケイ素およびフッ素系高分子物質を希釈できる溶剤は、その種類が乏しく、かつ経済・安全性に問題があり実用的ではない。ゆえにこの機能化のためには界面活性剤を用いて「乳化・可溶化」を行い、水中に分散させるのが最適である。 しかし、界面活性剤は周囲の環境(温度、水、油、第三成分の添加など)に上り、集合傾向が変化してさまざまな分子集合体(ミセル、逆ミセル、ライオトロピック液晶、マイクロエマルションなど)を形成し、状態の理解は困難をきわめる。そこで、乳化・可溶化形成を系統的に理解するために、水/界面活性剤/シリコーン(あるいはフルオロカーボン)系の形成するさまざまな液相を、相平街図を作成して明らかにする必要がある。本研究は、今年度に水/界面活性剤/シリコーンオイル(ケイ素系高分子)系、次年度に水/界面活性剤,フルオロカーボン(フッ素系高分子)系おける、可溶化系のモデルとなるマイクロエマルション形成を試みることを目的とした。 今年度は、水/界面活性剤/シリコーンオイル(ケイ素系高分子)系を系統的に調査し、マイクロエマルションの形成に成功した。また、このマイクロエマルションから乳化調製を行うと、乳化機を必要とせずにサブミクロンオーダーの非常に微細かつ分散安定な水中油滴型エマルションが得られることを見いだした。これらの成果は論文投稿準備中であり、来年度内には成果を公表できる。次年度分のフルオロカーボンは予備的実験の段階ではあるが、マイクロエマルション形成の可能性をあることがわかった。
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