1998 Fiscal Year Annual Research Report
ITS・ILE統合型知的教育システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
10780109
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小西 達裕 静岡大学, 情報学部, 講師 (30234800)
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Keywords | 知的教育システム / ITS / ILE / 学習者モデル / ITS・ILE統合型教育システム / 知的CAI |
Research Abstract |
(1) 対象世界モデルの統合に関する検討: 高校化学における典型的学習項目として酸・塩基を選び、これをITSで利用可能な定性的モデルで表現した。この定性的モデルからILEに必要な視覚的振舞いの再現を行う手法について検討し、視覚的インタフェースへ引き渡す情報構造を設計した。 (2) 学習者モデルの統合に関する検討: 従来型知的教育システムの学習者モデルが、主として学習者の持つ知識を表現していたのに対し、本研究では行動計画やその達成度など、現在学習者が置かれている状況を含めた学習者モデルが必要であることを明らかにし、このような学習者モデルのひとつの構成方法を示した。 (3) 教育戦略の統合に関する検討とユーザインタフェースの設計: 実験など対象を操作する学習(ILE的学習)と、その対象に関する問題演習(ITS的学習)を統合的におこなうためのシステム制御手法を提案した。またILEにおけるユーザインタフェースの開発を効率化するために、ILEの視覚的インタフェースを構成する基本要素とその機能を整理した。 (4) アドバイス生成方法に関する検討: ILE部において、学習者の行き詰まりの様子から、学習者に欠落している知識がどれである可能性が高いかを判断する戦略を整備した。これにより、学習者の行き詰まりをより効果的に解消するアドバイスの生成が可能になった。 (5) プロトタイプシステムの実装: 以上の成果を踏まえ、小規模な統合システムを構築した。現在は中和反応に関する簡単な問題演習と実験を行うことができる。 (6) その他: プログラミング教育支援システムやテキストデータベース活用支援システムを対象に、ユーザへのアドバイスの生成方法、システムの評価、視覚的ユーザインタフェースの構築方法などについて検討した。これらの研究成果の一部は本研究における統合型教育システム構築の基礎技術として利用される。
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[Publications] I.Takahishi, Y.Itoh, T.Konishi: "On the method to decide the order of the knowledge shown as the advice in ILE." PRoc.of ICCE98. Vol.1. 373-380 (1998)
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[Publications] Y.Itoh, T.Konishi, H.Suzuki: "On Experimental Evaluation of an Educational System that supports Teachers of Novice Programming" PRoc.of ICCE98. Vol.2. 234-238 (1998)
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[Publications] R.Itoh, M.Nishizawa, T.Konishi, Y.Itoh: "On Constructing an Educational System that Analyzes Buggy Programs and Makes Domain Oriented Explahations." PRoc.of ICCE98. Vol.1. 432-440 (1998)
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[Publications] 伊東, 小西, 三浦, 赤塚, 田村, 赤石, 中谷, 阿部: "テキスト史料の抜粋、分類機能と俯瞰機能による歴史学研究支援" 情報処理学会論文誌. Vol-40 No.3(掲載予定). (1999)