1998 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークモデルを用いた大学入試動向の解析と予測
Project/Area Number |
10780118
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Research Institution | National Center Test for University Admissions |
Principal Investigator |
菊地 賢一 大学入試センター, 研究開発部, 助手 (50270426)
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Keywords | 大学入試 / ニューラルネット / 入試データ解析 |
Research Abstract |
近年、大学入試においては、面接や小論文を入試科目として加えたり、推薦入学制度や帰国子女特別選抜の導入などにより多様化が進められている。また、18才人口の減少などによる志願者数や進学率の大きな変動も予想される。実際に、平成10年度センター試験出願者数は前年度より若干減少し、大学進学者が今後減少していくような徴候が見られるようになった。このため、志願者数や進学率を含む大学入試の動向を予測することは、大学入試センターのみならず、各大学にとっても非常に重要な問題である。 本研究では、各大学の試験科目や制度、併願状況、および受験倍率などのパラメータをニューラルネットワークモデルによりモデル化し、今後の動向の予測を行う。本研究で構築するニューラルネットワークモデルを用いたモデルによって、より正確に大学入試の動向を捉えることが可能となる。そして、将来的な変化がより正確に予測できるため、将来目指すべき入試制度を模索するための重要な手段の一つとなるものと考える。 平成10年度は、一般的なニューラルネットワークモデルにおける初期値とパラメータ推定の方法に関する研究を行った。特に、推定方法に関しては、比較的収束が速く、1次微分の係数さえ計算が可能であれば適用できるガウス・ニュートン法をニューラルネットワークモデルに応用することを考えた。この方法の場合、計算の途中で逆行列を求めることが必要となるが、本研究で取り扱うデータは各大学の試験科目や制度、併願状況、および受験倍率などパラメータが非常に多い。このため、逆行列を計算するためのアルゴリズムにも注意が必要となる。そこで、様々な逆行列計算、パラメータ推定のためのプログラムを作成し、多くのシミュレーション実験を行った。
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