1998 Fiscal Year Annual Research Report
スウェーデンの基礎学校における福祉教育改革に関する研究
Project/Area Number |
10780127
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
橋本 尚美 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (60293734)
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Keywords | スウェーデン / 福祉教育 / 家庭科教育 |
Research Abstract |
今年度は,スウェーデンに渡航し,スウェーデンの基礎学校における福祉教育に関わる歴史的資料の収集を行った。学習指導要領を全て人手し,教科書の購入も進行中であるため、現在,その分析,検討を進めている。また,スウェーデン教育庁の教育史担当者にインタビューを行い,福祉教育に関わる研究の動向を尋ねた後,それに関する著書を入手したため,その分析,検討も進めている。 現在の状況を見てみると,スウェーデンでは,1994年の教育改革以降,福祉に関する内容は,基礎学佼(小・中学校)段階では,社会科を中心とした全教科で,高等学校段階では, 主に「Child Recreation Programme」や「The Health Care Programme」で学習されている。スウェーデンは,男女平等政策の先進国であるが,「Child Recreation Programme」や「The Health Care Programme」のような福祉職につながるプログラムを女の子が選択する割合が高いことや,そのプログラムを選択した生徒だけが福祉に関する内容を学んでいることが問題となっており,それを解消するための政策が進行中である。今後,研究を展開していく上で,高等学校段階の学習や,男女の差異の問題についての視点を取り入れていく必要があると考えている。 また,スウェーデンは多くの移民を受け入れているが,特にアジア系の移民に対する差別は,現在も大きな問題となっている。マイノリティに関する学習を含め,検討していく必要があると考えている。
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