1999 Fiscal Year Annual Research Report
小学校美術鑑賞における教材提示メディア及び教材配列の適正化に関する研究
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10780134
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三根 和浪 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (80294495)
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Keywords | 美術鑑賞 / 教材 / 作品 / 小学校 |
Research Abstract |
鑑賞学習の始まりとしての小学校の位置づけを考慮して、小学生にとって学習の意欲が喚起されやすいことや連想をしやすいことが作品の教育効果であると考えて作品による教育効果得点の違いを調査するとともに、作品に対するイメージを測定した。調査の結果、次のことがわかった。 1.教育効果得点の学年間比較を行ったところ、海外の作品では、4年生が最も教育効果が高く、次に6年生が続き、2年生が最も教育効果が低かった。日本の作品では、2年生が最も教育効果が高く、次に6年生が続き、4年生が最も教育効果が低かった。以上のように学年によって教育効果が違っていた。また海外の作品と日本の作品とでは作品に対する評価が違っていた。 2.6年生はどんな作品も鑑賞できる発達段階にあることが示唆された。 3.教育効果の高い作品として、海外の作品では、カンディンスキー「コンポジションVIII」、ダリ「記憶の固執」、シャガール「私と村」、ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」、ビンガム「ミズーリ川を下る毛皮商人」が挙げられた。日本の作品では、葛飾北斎「神奈川沖浪裏」、伊藤若冲「群鶏図」、池大雅「灌園便図」、黒田清輝「湖畔」が挙げられた。 4.教育効果の低い作品として、海外の作品ではデューラー「自画像」、ウォーホール「マリリン」が挙げられた。日本の作品では安井會太郎「孫」、青木繁「海の幸」、高橋由一「鮭」が挙げられた。 5.大学生が作品に対して持つイメージは、小学生が作品に対して持つイメージと違っていた。
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Research Products
(1 results)