1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10780151
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
若木 宏文 愛媛大学, 理学部, 助教授 (90210856)
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Keywords | 判別 / 正規分布 / 漸近展開 / ウィシャート行列 |
Research Abstract |
本研究では,(1)母分散行列に関する構造の設定,(2)設定した構造のもとでの母分散行列の最尤推定量の導出,(3)最大尤度比型の判別関数の導出,(4)誤判別率の推定,(5)いくつかの構造をもとに構築した判別関数の比較,(6)判別関数の選択方法の構築,といった手順での研究を考えている.誤判別率を推定するためには,判別関数の分布を求める必要があるが,精密な分布の表現は正規母集団のもとでさえ困難である.そこで,本研究では分布の漸近展開を求め,それを用いて推定量を構築することを考えている. 本研究では,いろいろな判別関数の分布の漸近展開の導出が必要となるので,数式処理ソフトウェアやC-言語,Fortranなどの汎用プログラミング言語を用いて漸近展開導出の手順をプログラムし,コンピュータを用いて漸近展開に必要な計算を行う. 平成10年度は漸近展開導出の手順のプログラミングについて検討してきた.導出は判別関数の形によって異なる部分と共通の部分とに分かれるが,共通の部分に含まれるのは初期標本が与えれらたときの条件付き分布のテーラー展開された積率母関数の初期標本の分布に関する期待値計算と,その結果を反転して分布関数を求めることである. 期待値の計算では,p次元の標準正規分布に従う確率ベクトルの2次形式の多項式の期待値とp次元ウィシャート行列と定数行列とのいくつかの積の固有和の期待値の計算が必要となるが,これらは数式処理プログラムの置換機能を繰り返し利用することで実現できる. 本年度の主な成果は,標準正規分布に従う確率ベクトルの2次形式の多項式の期待値計算に必要な置換規則をまとめ,p次元ウィシャート行列のm次多項式の固有和の期待値の計算アルゴリズムを構築し,数式処理ソフトのMathematikaで実現したことである.
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