1998 Fiscal Year Annual Research Report
超大規模時空間データセットの全検索のためのモデル開発とその実装
Project/Area Number |
10780155
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
樋口 知之 統計数理研究所, 予測制御系, 助教授 (70202273)
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Keywords | ベイズモデル / 発見科学 / データマイニング / AIC / 人工衛星 / 非ガウス |
Research Abstract |
低高度(周回時間が約100分程度)の極周り人工衛星の今までに蓄積された超大量の磁場データを丹念に調べあげ,新しいタイプの電流系の発見に努めた。データは共同研究をスタートしたジョンホプキンス大学応用物理研究所のグループから提供を受けた。同じタイプの電流系であっても,その空間的位置や電流値は,時々刻々と変化する太陽風の影響や日照条件(極域地方の太陽となす角度)の違いでかなり変動するため,電流系の同定は非常に困難である。当然,従来知られているタイプの電流系も同様の時間・空間変動性を示す。従って,電流系の空間的位置や電流値の可変性を容認しつつ,タイプ別に分類する柔軟な手法の開発に取り組んだ。当然、超大量のデータセット(最低でも,10ギガバイトはこえる)を取り扱うので,その手続き(アルゴリズム)をバッチジョブ的な完全自動化することを前提とした。今年度は、人工衛星データには必ず欠損値,異常値やジャンプ,あるいは疑似周期性を示す明らかに自然現象とは無関係のノイズがたびたび観測される。データ解析を行う前の一次処理として,これらのノイズを適切に処理するために,複雑な非ガウス・非線形状態空間モデルの開発を試行した。また,電流系は経度方向にシート状の構造をもつので,もともと3次元の磁場データをうまく座標変換を行うと,ある一成分のみに区分的に直線と近似できる空間系列となる変動磁場が表出してくる。この知見を数値的に表すためには,主成分分析的なアイデアと,大規模電流系に関連する3次元磁場データを適切かつ柔軟に表現できるモデルを組み合わせた新しい手法が必要であり、その開発・研究に取り組んだ。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ohtani,S.,Takahashi,K.,Higuchi,T.,他: "AMPTE/CCE-SCATHA simultaneous observations of substorm-associated magnetic fluctuations" Journal of Geophysical Research. 103・A3. 4671-4682 (1998)
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[Publications] Kitagawa,G.,and Higuchi,T.: "Automatic Transaction of Signal via Statistical Modeling" The proceeding of the First International Conference on Discovery Science. Springer-Verlag Lecture Notes in AI. 375-386 (1998)
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[Publications] Kawano,H.,Petrinec,S.M,Russell.C.T.,and Higuchi,T.: "Mognetopause shape determinations from measured position and estimated flaring angle" Journal of Geophysical Research. 104・A1. 247-261 (1999)