1998 Fiscal Year Annual Research Report
空間分割型並列処理に基づくボリュームレンダリングアルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
10780163
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 広明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (40205480)
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Keywords | ボリュームレンダリング / シア・ワープ法 / 並列処理 / 負荷分散法 / 並列アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究では,3次元データ(ボリューム)のリアルタイム可視化を可能とする並列アルゴリズムの研究を行った.まず,ボリュームデータの可視化を高精度に行うための手法の1つであるシェア・ワープ法に着目し,その並列化について検討を加えた.その結果,シェア・ワープ法を,ボリュームの部分ボリュームへの分割,部分ボリュームに対する部分画像生成(並列シェア),部分画像の合成,画像変換(並列ワープ)の4段階に分割することにより,並列シェアと並列ワープに高度の並列性が存在することがわかった.さらに,並列処理の効率化のために,並列シェアにおける処理要素間の負荷の均一化と,逐次処理である部分画像合成処理の高速化の観点から並列アルゴリズムの最適化手法についての検討を行った.その結果,処理要素間での均一な負荷分散の実現には,部分ボリュームに含まれる不透明ボクセル数を部分ボリューム間でできる限り均等になるようにボリュームを分割する必要があることがわかった.また,部分画像合成処理の高速化のためには,部分ボリュームの可視化で得られる投影面上での画像のサイズをできる限り小さくするような分割が必要であることがわかった.具体的には,ボリュームをx軸,y軸,z軸に垂直な面の1つで2分割する際に,分割により得られる部分ボリュームから生成される投影画像の面積が最も小さくなる分割面を用いて,ボリューム分割を再帰的に進める必要がある.これにより,画像合成に必要な部分画像データの通信量を低くおさえることが可能になる. 本研究で得られた並列ボリュームレンダリングの基本アルゴリズム,負荷分散法,適応分割法に関する研究成果を学会で発表した.現在,本並列ボリュームレンダリングアルゴリズムを並列計算機上に実装しており,次年度では,実装を完成させ,アルゴリズムの性能評価と改良を行う予定である.
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[Publications] H.kobayashi 他: "Static Load Balancing Schemes for the Object-Space Parallel Multi-pass Rendering Method on a Distributed-Memory Multiprocessor System" Proceedings of the 2nd Eurographics Workshop on Parallel Rendering and Visualization. 133-144 (1998)
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[Publications] 木村芳則 他: "ボリュームレンダリングを用いた仮想現実システムに関する一検討" 平成10年度電気関係学会東北支部連合大会論文集. 236-236 (1998)
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[Publications] 佐野健太郎 他: "データ並列ボリュームレンダリングのためのボリューム適応分割手法" 情報処理学会HPC研究会資料. 7-12 (1998)