1998 Fiscal Year Annual Research Report
モーバイルエージェント間の資源共有アルゴリズムの実装と評価
Project/Area Number |
10780175
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
佐藤 一郎 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (80282896)
|
Keywords | モバイルエージェント / 分散システム / 負荷分散 / マルチエージェント / 協調計算 / 資源共有 |
Research Abstract |
この研究では、計算資源の共有を前提としたモーバイルエージェント間の協調アルゴリズムを設計・実装を行っている。研究初年度では、モーバイルエージェントを実現するランタイムシステムの設計・実装を行った。これはJava言語の仮想機械上で動作し、エージェントのコンピュータ間移動にはTCP/IPやSMTPなどの広範な通信プロトコルを利用可能である。また、エージェントの自体もJava言語オブジェクトとして実現され、実際的なアプリケーションも記述可能となっている。このランタイムシステムでは、モーバイルエージェント間の協調機構として、非同期メッセージ送信、メソッド呼び出し、フューチャー通信などの基本的なエージェント間通信に加えて、KQMLをベースとした高次な協調アルゴリズムも実現した。 また、モーバイルエージェント間の協調アルゴリズムとして、各種計算リソースの消費・占有に対して経済的なメタファを利用した機構を提案した。これはエージェントがファイルや通信ネットワークなどの計算リースを利用する際には、その使用量に応じて対価を支払うものである。これにより、特定エージェントが計算リソースを長時間占有することがなくなり、公平性が保たれ、分散システム全体としても効率化する。また、これらの機構は、上述のモーバイルエージェントシステムに実装され、その効果を測定した。その結果が、実際的運用においても効果的であることが確かめられた。
|