1998 Fiscal Year Annual Research Report
アルゴリズミックデバッグ手法による分散プログラムのデバッグシステムの構築
Project/Area Number |
10780181
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
太田 剛 静岡大学, 情報学部, 講師 (40213730)
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Keywords | デバッグ / 分散プログラム / アルゴリズミック デバッギング |
Research Abstract |
平成10年度は,前年度までに提案してきた手法を基礎として,実働デバッグ支援システムの骨格を構築してきた.具体的には,GDBに手を加えて,プログラムの実行履歴を保存できるようにするとともに,分散プログラムを扱えるような変更作業を行なった. 逐次プログラム用デバッガにおけるブレークポイントに相当するものとして,分散プログラムの実行を中断するための3種類の中断点に関する概念を整理し,これらを実装した.これらはいずれも,ある1つのプロセスにおけるある実行時点を指定するものであるが,動作は次のように異なる.(1)逐次プログラムのブレークポイントと同様に,指定した1つのプロセスの実行だけを中断するもの,(2)指定した実行時点が実際に実行されるために必要な最低限の実行だけを,全プロセスにわたって行なうもの,(3)指定した実行時点でプログラムを中断したとき,最大限実行できる点まで,全プロセスにわたって実行するもの,である.実行時に誤りであることが判明したプロセスと実行時点を指定することにより,(2)からは,プbグラムに誤りが存在しない範囲を,(3)からは,その誤りが影響を及ぼす範囲を,それぞれ特定することができる.これらを実装することによって,アルゴリズミンクデバッギングシステムを構築する基礎ができた.
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