1998 Fiscal Year Annual Research Report
輻輳状態にあるATMネットワークにおけるIP/ATM通信の特性に関する研究
Project/Area Number |
10780186
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
石橋 勇人 大阪市立大学, 学術情報総合センター, 講師 (70212925)
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Keywords | ATM / TCP / IP / スループット / 輻輳 / トラフィックシェービング / CBR |
Research Abstract |
本研究は、数年前より大学や企業においてさかんに導入されているATM(非同期通信モード)を使用したネットワークにおいてIP(インターネットプロトコル)による通信が示すスループット特性を実際の実験に基づいて解析し、性能向上のための改良を提案することを最終的な目的としている。本研究が対象とするのは、特に条件が厳しい、ATMネットワークの輻輳下におけるIP/ATMのスループット特性の改善である。 本年度は、2年計画の初年度として、ATM LAN上でTCP/IP通信を行うIP/ATM方式について、ATMトラフィックジェネレータを用いて通信回線上にCBRによる負荷を発生させ、同じ通信路上に1対のPCによってIPによるトラフィックを流してスループット特性を測定する実験を主として行い、ATMレベルでの輻輳が生じた際のTCP/IPによる通信の特性の一部を明らかにした。 PC上のOSとしてはFreeBSDを使用し、Adaptec社のATM NIC(Network Interface Card)を用いて155.52Mbps(OC-3c)でATM交換機に接続している。ATM交換機としては、NEC ATOMIS 5ならびに富士通EA1550を使用した。 本年度は、特にIP/ATMのMTUサイズならびにATM交換機のバッファサイズと、トラフィックシェーピングとの関連に着目し、MTUサイズやATM交換機のバッファサイズを可変したときの特性を重点的に調べている。 この結果、MTUサイズが大きい場合には輻輳条件下においてTCP/IPのフロー制御が効果的に動作しないことが判明している。また、ATM交換機のバッファサイズに対してスループットの極端な低下を避けるために要求されるシェーピングレートの厳密さについて知見が得られた。
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