1998 Fiscal Year Annual Research Report
Photometric Calibrationに基づく画像の合成に関する研究
Project/Area Number |
10780200
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
馬場 雅志 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (30281281)
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Keywords | 画像合成 / カメラキャリブレーション / コンピューターグラフィックス / 光学的歪みの補正 / 統合カメラモデル |
Research Abstract |
コンピュータグラフイックスス(CG)においてカメラモデルはあまり重要視されてこなかったが、リアリスティックな画像を作成するにはカメラの精密なモデル化が重要である。特に、撮影した画像とCGで作成した画像の合成を行うには、実際のカメラに一致するカメラモデルを用いる必要がある。我々は、すでにズームや絞りを変化させたときのレンズの光学的な歪みに着目し、画像周辺明度の低下に対する補正方法について研究を行ってきている。このようなカメラやレンズによる幾何学的・光学的な歪みに関する研究は、画像合成のためにはきわめて重要である。本研究では、実際のカメラを用いて撮影した画像で発生する光学的歪みに対し補正するPhotometric Calibrationの概念に基づき画像の合成に関する研究を行う。本研究では、すでに行っているカメラのモデル化や補正方法をふまえ、(1)カラー画像の周辺明度低下現象(口径蝕現象)の詳細なモデル化、(2)モデルにもとづいた画像周辺明度低下の補正手法の確立、(3)画像補正手法の検証、(4)画像補正をふまえた実写画像とCG画像の効果的な合成方法の開発、(5)画像補正・画像合成システムの開発、を行う。 今年度は当初の研究計画を変更し、(4)の実写画像とCGの仮想物体との合成を行う手法についての検討を行った。実写画像とCGの仮想物体を合成するには実写を撮影したカメラの正確なモデル化が必要不可欠である。そこで、実際のカメラのズーム、フォーカス、アイリスの変化を忠実にモデル化した統合カメラモデルを提案し、そのカメラモデルと実際のカメラとの対応をとるカメラキャリプレーションを行った。キャリブレーションによってえられたカメラパラメータを用いて実写画像と仮想物体を合成することにより違和感のない合成が可能である。画像合成においては、レンズのぼけ現象に着目し、ぼけを忠実に再現する画像生成の手法を提案した。また、この合成画像生成アルゴリズムについて高速化の検討を行った。 来年度は、口径蝕現象の詳細なモデル化と画像補正手法の確立を行う予定である。
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[Publications] 馬場雅志,浅田尚紀,天野晃: "Calibrated Computer Graphicsによる画像合成の試み-カメラキャリブレーションに基づく任意フォークス画像の生成と検証-" 情報処理学会論文誌. vol39.No.7. 2180-2188 (1998)
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[Publications] Naoki Asada,Masashi Baba,Akira Amano: "Calibrated Computer Graphics:A New Approach to Realistic Image Synthesis Based on Camera Calibration" Proc.14th Inter national Conference on Pattern Recognition. 705-707 (1998)
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[Publications] 馬場 浅田,迫田,天野,青山: "ズーム・フォーカス・アイリス総合カメラモデルを用いたCalibrated Computer Graphics" Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム論文集. 67-72 (1998)
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[Publications] 馬場,天野,青山,浅田: "Calibrated Computer Graphicsのためのズーム・フォーカス・アイリス統合カメラモデル" 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU'98)論文集. II・47-II52 (1998)
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[Publications] 馬場,天野,青山,浅田: "Calibrated Computer Graphicsのための高速画像生成" コンピュータビジョンとイメージメディア研究会研究報告. 49-56 (1998)
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[Publications] 馬場,天野,青山,浅田: "Calibrated Computer Graphicsのための高速画像生成アルゴリズム" 第4回知能情報メディアシンポジウム論文集. 187-194 (1998)