1998 Fiscal Year Annual Research Report
オンラインスケジューリング手法を組み込んだ分散処理環境上の協調最適解法の開発
Project/Area Number |
10780201
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
上土井 陽子 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (80264935)
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Keywords | オンラインアルゴリズム / ルーティング・スケジューリング問題 / 局所アルゴリズム / 分散処理 |
Research Abstract |
分散環境での計算能力を活用することが大規模な問題を対象とする上で必須となってきている。しかし、分散環境上で協調して問題を扱う場合、一台のマシン上での機構を複数のマシンで等価に実現するには様々の問題が存在している。本研究では分散システムの性能向上を目的としてオンラインな問題について考察している。一般にシステムに与えられた仕事は先に仕事が処理されるマシンを決定するスケジューリングが行われた後にネットワーク上でのルーティングが行われていた。しかし、システムでの性能がネットワーク上での通信に大きく依存していること、また、大規模なシステムを構築する場合、ルーティングでの性能を考慮しないスケジューリングでは十分な性能向上は望めない。本研究では与えられた計算機環境で効率よく計算するため、利用可能なプロセッサ数、各プロセッサの能力、および、各プロセッサ間の通信速度などを入力として、オンラインに到着するジョブを処理するプロセッサとその通信経路を同時に決定するルーテイング・スケジューリング問題を新たに定式化し、本問題に対するオンラインアルゴリズムを開発した。シミュレーション実験により一般的に用いられている食欲法において、スケジューリングの質を損なうことなく、ルーテイングの質を改良できることが分かった。さらに、提案したルーテイング・スケジューリングアルゴリズムに基づいて分散実行する局所アルゴリズムを研究室と学部共有設備からなる118台のワークステーション上に実現し、スループットの最大化を目的とするアドミッションコントロール問題に対して一台のマシン上での集中的な手法と比較した。シミュレーション実験の結果よりルーテイング問題を考慮しない場合、アルゴリズムの性能がネットワーク上での通信に大きく依存していることが分かった。分散環境での提案手法の移植性を向上するため移動型パーソナルコンピュータ2台を増設した。
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Research Products
(2 results)