1998 Fiscal Year Annual Research Report
文字認識における劣化文字の分析及び高精度認識法に関する研究
Project/Area Number |
10780216
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大町 真一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30250856)
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Keywords | パターン認識 / 文字認識 / OCR / 低品質文字 / ノイズ / つぶれ / 部分空間法 / 複合類似度法 |
Research Abstract |
本研究では,低品質文字を高精度に認識することを目的としている.本年度中に得られた研究成果を以下に述べる. 1. 劣化の程度を表す指標の定義 劣化の程度を定量的に表すために,劣化した文字画像を含む様々な文字画像を収集した.具体的には,複写機により複写した文書やファクシミリにより転送した文書をスキャナで読み取り,ワークステーションに取り込んだ.これらの劣化文字を対象に,文字パターンをいくつかの小領域に分割し,小領域ごとに劣化の程度を表す指標「つぶれ度」を定義した. 2. 劣化による分布形状の変化の解析 多くのサンプルパターンを用い,つぶれ度によって文字認識における特徴量の分布分布形状がどう変化するかを統計的に解析した.分布形状をパターン集合から得られる重心,主成分ベクトル(固有ベクトル),主成分軸上での分散(固有値)により定義し,分布形状がどのように変化するかを調べた.その結果,多くの場合劣化が生じたパターンでも重心はほとんど変化せず,主成分ベクトルと主成分軸上での分散が変化することが確認された. 3. 認識手法の検討 2.での調査結果をもとに,劣化文字を高精度に認識する手法を検討した.文字パターンの各部分の劣化の程度により分布形状を表す主成分軸や分散がどのように変化するのかを調査し,それをもとに分布形状を補正する手法を検討した.そして,パターン認識における代表的な認識手法である部分空間法に対して分布形状の変化を反映させる手法を考案し,認識実験を行なってその有効性を確認した.
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 孫 方、大町真一郎、加藤 寧、阿曽弘具: "特徴量の要素の相関を考慮した高速・高精度な識別関数と文字認識への応用" 電子情報通信学会論文誌D-II. J81-D-II. 2027-2034 (1998)
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[Publications] N.Kato,M.Suzuki,S.Omachi,H.Aso,and Y.Nemoto: "A Handwritten Character Recognition System Using Directional Element Feature and Asymmetric Mahalanobis Distance" IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence. 21(発表予定). (1999)
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[Publications] 加藤 寧、大町真一郎: "手書き文字認識の最先端技術について" 人文学と情報処理. 18. 19-25 (1998)
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[Publications] F.Sun,S.Omachi,and H.Aso: "An Algorithm for Constructing a Multi-template Dictionary for Character Recognition Considering Distribution of Feature Vectors" Proceedings of the 14th International Conference on Pattern Recognition. 2. 1114-1116 (1998)
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[Publications] 大町真一郎、阿曽弘具: "低品質文字認識におけるつぶれを補正する複合類似度法" 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU98-15. 17-24 (1998)
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[Publications] 大町真一郎、井上政樹、阿曽弘具: "マルチスケール画像を用いた飾り文字の構造抽出" 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU98-30. 33-40 (1998)
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[Publications] 岩村雅一、大町真一郎、阿曽弘具: "クラスタ間情報に基づくマハラノビス距離による文字認識" 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU98-156. 49-54 (1998)
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[Publications] 孫 方、大町真一郎、阿曽弘具: "高次元ベクトルの混合分布推定の一手法と文字認識への応用" 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU98-157. 55-62 (1998)
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[Publications] 加藤 毅、大町真一郎、阿曽弘具: "複数ストローク対応型伸縮変形モデルによる文字認識" 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU98-162. 95-102 (1998)
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[Publications] 中西大雅、大町真一郎、阿曽弘具: "高精度かつ高速な特徴量ベースの文書画像キーワード検索システム" 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU98-232. 97-104 (1999)
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[Publications] 加藤 毅、大町真一郎、阿曽弘具: "平仮名認識のための複数ストローク対応型伸縮変形モデル" 平成10年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 2G-18. 280-280 (1998)
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[Publications] 岩村雅一、大町真一郎、阿曽弘具: "認識率に寄与する文字画像の固有ベクトル" 平成10年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 2G-24. 286-286 (1998)