1998 Fiscal Year Annual Research Report
意志決定におけるエージェントのモデル化と競合および協調のための最適戦略
Project/Area Number |
10780225
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
飯田 弘之 静岡大学, 情報学部, 講師 (80281723)
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Keywords | 意志決定 / 協調 / 戦略の最適化 / エージェント / モデリング |
Research Abstract |
競合関係にあるエージェント同士の利得を得るための戦略は,一般にミニマックスが優れている.しかし,「A Speculative Staretgy」(Xinbo et al,1999)が示すように,周囲のエージェントのモデル化によって,もっと優れた戦略が存在する.モデルに関する知識に応じて最適な戦略を獲得できること,ならびに,ゲインとリスクの関係を示した.この概念を協調/競合関係の両方の場合に,複数エージェントの場合にも拡張できることを示した(Cao et al.,1998). 競合関係にあるエージェント同士のゲームでは,「最適な戦略」とう概念がゲームの進化的変遷に影響を及ぼすことを示した.これを平安将棋から現代将棋への変遷(Iida et al,1999)を題材とした. 本研究の成果を示す一つの顕著な題材は,将棋プログラミングである.着手を決めるプレイヤをどうモデル化し,長期的に最適な手を選択できるか重要である.この問題の進歩/発展およびその特殊性を論文(飯田,1998)で論じた. エージェント同士の協調/競合を考えるための題材としてネットワークゲームは優れている.協調性をどのようんに定式化することで,エージェント同士が最適に助け合うことができるかを論じ,ゲームそのものの楽しさを増してぃるがを論じた(watan-abe,1998). エージェント(人間を想定せよ)による意志決定過程での感情的な変化を川柳として表現するのが日本古来の伝統でもある.この様をコンピュータに実現できるような推論エンジンを考察した(橋本ほか,1998). 小著「遊びにおける面白さの研究」(1998)において,遊びにおいて面白さに与える影響の重要なファクターは最適戦略の複雑さであることを指摘し,その観点からゲームの進化論を提唱し,様々な例を示した. 小著「AIは予言する」(1998)では,人工知能分野で最近生じている様々な技術のブレークスルーとその社会的影響を論じた.特に,人間の知性を象徴するチェスのまうな知的なゲームで,どのように世界チャンピオンレベルで.その意志決定を維持するがを様々な角度から分析した.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Gao Xinbo, Hiroyuki Iida, Jos Uiferwijk, H.J.Van den Herik: "A Speculative Staretgy" Computer Science,LNCS 1558. 74-93 (1999)
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[Publications] Hiroyuki Iida, J.Yoshimura, K.Morita, J.Uiterwijk, J.W.H.M,: "Retrograde Analysis of the KGK Endgame in Shogi : its implication for ancient Heian Shogi" Computer Science,LNCS 1558. 318-337 (1999)
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[Publications] Gao Xinbo, Xie Weixin, Hiroyuki Iida: "A Model-Based Search Strategy of Game Tree" Information Science and Microelectronics Technology. 7-5046-2519-1. 263-265 (1998)
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[Publications] 飯田弘之: "将棋名人に近づくコンピュータ将棋" 情報処理学会誌. Vol.39 No.9. 872-876 (1998)
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[Publications] Hideki Watanabe, Hiroyuki Iida: "Thoughts on Network Role-Playing Games" IPSJ Technical Report. SIG-98-MBL-6. 7-12 (1998)
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[Publications] 橋本剛,飯田弘之: "川柳を解するコンピュータ将棋" 応用数理学会全国大会'98講演論文集. 244-245 (1998)
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[Publications] 飯田弘之: "遊びにおける面白さの研究" 研究委託.中山 隼雄科学技術文化財団, 220 (1998)
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[Publications] 飯田弘之: "AIは予言する-人工知能がひらく驚異の世界-" エージー出版, 200 (1998)