1998 Fiscal Year Annual Research Report
博物館・美術館の展示プレゼンテーション用の専用ネットワークシステムの開発
Project/Area Number |
10780256
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 洋久 東京大学, 総合研究博物館, 助手 (10282625)
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Keywords | 博物館 / LAN / リアルタイム / ルーティング・アドレス / 自動設定 |
Research Abstract |
本研究の目的は、博物館の展示における実用的なLANの構築を目指した様々なプロトコルの研究開発である。特別展など短期間で展示用のシステムを立ち上げる必要がある博物館のLANにおいて特に求められることは、アドレスや名前設定などネットワークの各種設定をできるだけ自動化する自動設定の技術と、動画や音声といったリアルタイムデータを扱うためのリアルタイムネットワークの機能である。 自動設定の研究の焦点は二つある。一つはネットワーク層におけるルーティング・アドレスの自動設定のためのプロトコルNIP(Network Information Protocol)の開発である。この研究ではルーティング・アドレスというルータを越えたアドレスが自動設定可能になったことが新たなる進展である。もう一つは、さらに上位層において自動設定に対応した名前、アドレスの管理システムの構築である。 博物館LANにおいては、大きなノードと、小さなノードが混在している。大きなノードは動画や音声が保存されており、いろいろな指令に従ってネットワークへデータを出力する。小さなノードはそれらリアルタイムデータを出力するためのノードであったり、また、観客からの様々な指令をネットワークを通じて大きなノードへ伝える役割を持ったものである。博物館LANにおいては小さなノードが圧倒的に多いという特徴をうまく生かし、ネットワークのリアルタイム性を最大限に引き出すことのできる物理ネットワークRCL(Realtime Control LAN)の研究を行った。 1998年度では、NIPの開発を行い、シミュレータ上で動作確認を行った。また、シミュレーションにより、2,000物理ネットワーク400,000ノード規模のネットワークでも問題なく動作することを示した。一方、RCLに基づいたネットワークを搭載したハードウエアの設計、実装を終えた段階である。来年度は実装された各種ノードに、開発したNIPを実装する予定である。
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