1999 Fiscal Year Annual Research Report
視覚特性を利用した画像情報の暗号化技術に関する研究
Project/Area Number |
10780261
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
桑門 秀典 神戸大学, 工学部, 助手 (30283914)
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Keywords | 情報セキュリティ / 暗号 / 視覚復号型暗号 / 秘密分散 |
Research Abstract |
1.画像の特徴を考慮した視覚復号型暗号の構成法の研究 前年度の本研究で得られた方式と従来方式を組み合わせることにより,分割画像のサイズを選択することができる.とくに,線画のような白画素が大部分を占める画像の場合,幾つかの白画素をまとめて提案方式を適用することにより,再構成画像のサイズの増加を防ぐことができる.また,通常,画像情報は矩形領域で表現されるが,矩形でないような画像情報の場合でも視覚復号型暗号が適用可能となった. 2.提案方式の実装 提案方式をソフトウエアで計算機上に実装した.画素数が65536の画像に提案方式を適用したところ,その実行時間は0.5秒未満であった.また,必要とする記憶量も現在のパソコンならば,全く問題にならない程度であることが確認できた. 3.再構成画像の画質評価 従来方式の場合,分割枚数に対して再構成画像のサイズが指数関数的に増加するため,再構成画像全体をパソコンのディスプレイで表示できないことがある.しかしながら,提案方式の場合,再構成画像のサイズがあまり大きくならないため,再構成画像全体をディスプレイで容易に表示することができる.また,原画像が白黒の二値画像の場合,従来方式では,原画像では白画素で表示されている領域に再構成画像では幾つかの黒画素が表示される.しかしながら,提案方式では,原画像で白画素で表示されている領域に黒画素が表示される確率が低くなっている. 4.提案方式の安全性評価 従来方式と同様の手法により提案方式の安全性を保証できることが判明した.したがって,提案方式は情報理論的に安全である.
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