1998 Fiscal Year Annual Research Report
ECRプラズマ中の電子速度分布関数と成膜の再現性に関する研究
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10780299
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
牟田 浩司 北九州工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (10219850)
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Keywords | 電子サイクロトロン共鳴プラズマ / 電子速度分布関数 / 数値シミュレーション / プローブ計測 / レーザー計測 |
Research Abstract |
本研究は,成膜プロセス用電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマにおいて,反応領域における最も基礎的なパラメータの一つである電子速度分布関数と,成膜の再現性との関係を明らかにすることを目的としている。一般に,ECRプラズマ中の電子速度分布関数は,ECR加熱機構や反応性プラズマ中の電位分布等により複雑化されるため,精度の高い測定と理論的解釈が不可欠となる。本年度は,以下の研究を行った。 1. 電子速度分布関数の測定システムの製作 測定システムとして,ラングミュアプローブを自作し,パーソナルコンピュータを用いた自動測定システムを開発した。ただし,反応性プラズマ中でのプローブ測定は,プローブがプラズマに与える擾乱や,逆にプローブが反応性ガスに汚染される等の問題がある。そこで,前者に対しては,アルゴンプラズマでレーザートムソン散乱法により得たデータとの比較を行い,測定システムの較正を行った。後者に対しては,負バイアス電圧の印加によるイオン衝撃とプローブ加熱により,汚染の影響を軽減した。 2. 電子速度分布関数解析のためのECRプラズマシミュレーションコードの開発 マイクロ波伝播とプラズマの生成,輸送をセルフコンシステントに解き,その結果として電子速度分布関数をシミュレートするコードを開発した。アルゴンプラズマにおいて,レーザートムソン散乱法により得たデータとの比較を行ったところ,本コードは実験値をよく再現する結果を得た。この研究成果は,第4回反応性プラズマ国際会議で発表され,応用物理学欧文誌(JJAP)に掲載予定となった。
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