1998 Fiscal Year Annual Research Report
CO_2回収式強相互作用MHD発電機内高速プラズマ動作の安定化に関する研究
Project/Area Number |
10780314
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 哲司 京都大学, 工学研究科, 助手 (20238976)
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Keywords | CO_2液化回収 / MHD発電機 / 安定性解析 / 遷音速ディスク形 / 衝撃波 / 負荷条件 / 境界条件 |
Research Abstract |
本年は、CO2液化回収式発電システム用MHD発電機の安定性解析手法を開発し、安定性解析を行った。同システム用MHD発電機としては、石炭酸素燃焼遷音速ディスク形発電方式が有力である。しかし、遷音速発電機は発電チャネル内部に円筒衝撃波を生じるので、その動作の安定性については詳しい検討が必要である。そこで本年はまず、遷音速ディスク形MHD発電機の1次元近似による安定性解析手法を開発した。安定性は、定常状態からの流体および電気諸量の摂動の振舞いにより決定される。摂動の振舞いを記述する変分方程式を導出し、それを積分することによって、時間とともに増大する摂動が存在するか否かを決定する特性方程式を得る。円筒衝撃波面に対する境界条件はランキン・ユゴニオ条件によって与えられ、また亜音速出口条件として出口静圧を一定とする。また、複数負荷方式を仮定して電気的な境界条件を与える。特性方程式が不安定な根を持つか否かは、ナイキストの安定判別法と同様にして判別される。解析対象は熱入力1100MWおよび2000MWの遷音速ディスク形MHD発電機とした、解析の結果、定電流負荷条件時および定電圧負荷条件時ともに、両発電機は安定に動作することが確認された。また、時間依存計算によってもこれらの安定性が確認されている。すなわち、円筒衝撃波は発電チャネル内に安定に存在し、かつ、設計通りの高い発電出力が得られる。ディスク形発電機に対する本解析手法は、ファラデー形、ダイアゴナル形など他方式のMHD発電機の安定性解析にも容易に応用できる。来年度は、本安定性解析手法を2次元解析に拡張することにより、衝撃波などの非線形波動の2次元的な振舞いを始めとした、発電機内プラズマの2次元安定性を解明する予定である。
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