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1998 Fiscal Year Annual Research Report

「ホタテ中腸腺」の焼却処理に関する環境科学的研究

Research Project

Project/Area Number 10780346
Research InstitutionAsahikawa National College of Technology

Principal Investigator

古崎 睦  旭川工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助手 (40280317)

Keywordsホタテ貝 / 中腸腺 / ウロ / 焼却 / 含有金属 / カドミウム / 気化 / 物質収支
Research Abstract

ホタテ貝の中腸腺(ウロ)を混酸に溶解して分析したところ、湿潤状態のウロ1kg当たり、鉄が466±44mg、銅が15±2.2mg、亜鉛が36±2.8mg、カドミウムが20±3.2mg含まれていた。現在、年5万トン以上排出されるウロのほとんどは焼却処理されているが、比較的沸点の低いカドミウム(766℃)はその過程で気化しているものと考えられる。そこで本研究では、ウロを空気中および窒素中900℃で加熱焼却したときの(1)焼却灰、(2)焼却管壁析出物、(3)飛灰、および(4)排ガス吸収液中の金属量を調べ、焼却過程における含有重金属の物質収支を検討した。
ウロ中に含まれる上記四金属の中で、鉄はほとんど気化せず、空気中で99%が、窒素中で約94%が焼却灰中に残存していた。銅や亜鉛は空気中で約10〜43%、窒素中で4〜38%気化しており、それらの多くはフィルターに捕集された飛灰中から回収された。カドミウムは最も気化率が高く、空気中では平均約57%、窒素中では実に約92%が気化することがわかった。気化したカドミウムのほとんどは焼却管壁に析出するが、数%程度は飛灰やガス吸収液中からも回収された。カドミウム金属を同条件下で加熱した場合、空気中では酸化のみが進行して気化はほとんど認められないのに対し、窒素中では逆にほぼ100%が気化した。また、空気中でのウロ焼却の際の質量残存率(灰化率)と気化率の間には相関が認められ、灰化率が大きいほど、つまりウロの燃焼が不完全であるほど気化率が高いことがわかった。以上の結果から、ウロの焼却時に進むカドミウムの気化は、有機成分の燃焼の際に部分的に酸素不足の雰囲気が形成されることが原因と考えられる。実際の焼却施設においても、カドミウムの気化を最小限に抑えるためには空気を十分量供給して燃焼を完結させることが重要であると思われる。

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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