1998 Fiscal Year Annual Research Report
人工設計分子とDNAの超分子形成に基いた遺伝子機能制御
Project/Area Number |
10780357
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
戸嶋 一敦 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60217502)
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Keywords | DNA / DNA切断 / 超分子 / インターカレーター / 糖 / ハイブリッド分子 / 遺伝子機能制御 / グリコシル化 |
Research Abstract |
遺伝子DNAと特異的な相互作用を有し、遺伝子機能を制御する人工設計分子の開発は、ボストゲノム解析における新たな遺伝子産業創出において、極めて重要な研究課題である。本年度の研究において、金属種などの添加剤を必要とせず、特定波長の光を照射することで、温和な条件下、DNAを塩基選択的かつ効果的に切断する新たな人工DNA切断分子を開発した。すなわち、人工DNA切断分子として、糖-インターカーレター複合型人工分子である、1-hydroxy-2-(3^1-dimethylamino-2^1,3^1,6^1-trideoxy-β-D-arabirno-hexopyranosyl)-anthraquinone(1)、(1^1-hydroxy-2^1-anthraquinonyl)methyl 3-dimethylamino2,2,6-trideoxy-α-D-arabino-hexopyranoside(2α)および(1^1-hydroxy-2^1-anthraquinonyl)methyl 3-dimethylamino-2,3,6-tridexy-β-D-arabino-hexopyranoside(2β)を分子設計し、それらの化学合成および光照射下におけるDNA切断機能評価を行った。まず、糖-インターカレーター複合型人工分子1〜2βは、立体選択的C-およびO-グリコシル化反応を駆使することで、アントラキノン部位と糖部分を連結し、効果的に合成した。次に、これら化合物の365nmの光照射下におけるDNA切断活性評価をΦX174DNAを用いて行い、さらに、サンガー法を指標として、これらのDNA切断位置の同定を行った。その結果、糖-インターカレーター複合型人工分子1〜213は、いずれもDNA切断活性を有し、グアニン(G)選択的にDNAを効果的に切断することを見い出した。さらに、これら人工分子のDNA切断において、糖の結合様式および立体化学がDNA切断活性に大きく影響することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)