1998 Fiscal Year Annual Research Report
外因系血液凝固阻害因子の内皮細胞および平滑筋細胞表面レセプターの解析
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10780377
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
日根 智恵美 国立循環器病センター研究所, 脈管生理部, 室員 (10280819)
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Keywords | 血液凝固 / インヒビター / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / レセプター |
Research Abstract |
Tissue factor pathway inhibitor(TFPI)は血液凝固反応の阻害因子として知られているが、一方で内皮細胞や平滑筋細胞等と相互作用し様々な機能を発揮している。我々はこれらの相互作用、特に我々のグループが見出したTFPIの平滑筋細胞増殖抑制作用に着目し、その機能解明の一端として、内皮細胞および平滑筋細胞表面に存在すると予測されるTFPIレセプターの実体を明らかにする目的で本研究を行った。まず、TFPIの株化ラット精巣上体脂肪パッド微小血管内皮細胞並びにヒト新生児大動脈由来平滑筋細胞への結合を^<125>Iラベルした組み換えTFPIを用いて調べたところ、濃度依存的、飽和的に特異結合が認められた。そこで、これらの細胞からTFP結合物質を分離するため、細胞の大量培養を行い、膜画分を分離した。膜画分はTriton X-100で可溶化後、ヒドロキシアパタイトカラム、TFPIのカルボキシ末端ペプチドをリガンドに使用したアフィニティーカラムで順次分離し、Far-Western法にて結合物質を検出した。この段階で、株化ラット精巣上体脂肪パッド微小血管内皮細胞からはTFPI結合物質が非常に多種類検出され、部分アミノ酸配列の決定が困難であった。 ヒト新生児大動脈由来平滑筋細胞を用いた場合にはTFPI結合物質は複数種検出され、それらの部分アミノ酸配列を決定した。その結果、3種類の既知蛋白質と一致する配列が得られたので、現在これらの蛋白質とTFPIとの結合についての解析を遂行中である。
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Research Products
(2 results)