1998 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞におけるCdc7/Dbf4類似キナーゼによる染色体複製制御の研究
Project/Area Number |
10780380
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 憲子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70280956)
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Keywords | 染色体複製 / 核構造 / CDC7 / MCM / キナーゼ |
Research Abstract |
染色体DNAの複製の開始は、制御蛋白質間の相互作用を介した活性のOn/Offによってのみならず、核内における染色体上複製起点の3次元的な構造の制御によっても調節されていると考えられる。さらに各々の複製起点の活性化されるタイミングや様式は細胞周期上でも調節をうけているが、さらに発生過程や癌化過程で大きく変化するものと考えられる。Cdc7/Dbf4キナーゼは出芽酵母でそれぞれの複製起点の発火過程に重要な役割を担うと考えられており、その機能はヒトに至る高等真核生物にまで保存されていると考えられている。私はこの点に着目し、ヒト、マウス、カエルのCdc7キナーゼ遺伝子を単離し、その機能解析を行っている。特に哺乳動物培養細胞では、培養系のin vivo DNA複製系で主にクロマチン結合蛋白質の挙動とDNA複製との関係を、またカエル卵抽出液を用いては、幼若型のin vitro DNA複製系で核構造形成過程とDNA複製との関連を研究している。これまで、ヒトCdc7の制御サブユニットH37とCdc7キナーゼの基質であるMCM2がCdc7によるリン酸化をうけることにより、クロマチンから乖離することを示した。また、カエルCdc7が核形成、DNA複製開始に先立ち、クロマチン結合し始め、複製進行中もクロマチン上に存在することを示した。
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