1998 Fiscal Year Annual Research Report
核における活性酸素調節によるIV型グルタチオンペルオキシダーゼの新規機能の解析
Project/Area Number |
10780389
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
今井 浩孝 北里大学, 薬学部, 講師 (50255361)
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Keywords | グルタチオンペルオキシダーゼ / 過酸化脂質 / 活性酸素 / 抗酸化酵素 / プロスタグランジン / 転写活性化因子 / ディファレンシャルディスプレイ |
Research Abstract |
IV型グルタチオンペルオキシダーゼ(リン脂質ヒドロペルオキシドグルタチオンベルオキシダーゼ:PHGPx)にはミトコンドリア型、非ミトコンドリア型PHGPxの2つのタイプが存在する。非ミトコンドリア型PHGPxを高発現させた好塩基球癌細胞株では親株に比べ核にPHGPxが多く発現していた。核に存在するPHGPxは核での過酸化反応を引き起とすリポキシゲヂーゼの活性を抑制することを報告したが、今回シクロオキシゲナーゼの活性を抑制するかいなかについて検討した。その結果、A23187刺激およびIgE刺激におけるプロスタグランジンD2産生を抑制し、核においてPHGPxがシクロオキシゲナーゼの活性を抑制することを見いだした。A23187刺激ではCOX-1による活性を、IgE刺激ではCOX-2による活性を抑制することを明らかにした。ロイコトリエンやプロスタグランジンは様々な転写活性化因子の調節因子としても働くことからPHGPxが転写活性化因子の調節因子としての新規機能を有していることが予想された。またPHGPxは転写活性化因子の活性化を引き起こすヒドロペルオキシド量を親株に比べ低く抑えることをフローサイトメトリーを用いた検討から明らかにした。このことは活性酸素シグナルを介しPHGPxが転写レベルを制御できることを示している。 そこで次にPHGPx高発現株と親株で実際にmRNAの発現が異なっているかについてディファレンシャルディスプレイ法を用いて検討した。その結果、PHGPx高発現株で発現が上昇している遺伝子を5個、発現が減少している遺伝子を3個見いだした。これらの遺伝子は親株にPHGPxの発現を上昇させる亜セレン酸を添加して培養した細胞株でも同様に発現量が変化した。このことからIV型グルタチオンペルオキシダーゼ(PHGPx)の量的変化が細胞内において遺伝子の転写調節に深く関与していることを見いだした。現在この遺伝子の同定とPHGPxが調節している転写因子の同定を試みPHGPxの転写調節蛋白質としての新規機能の解析を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Imai et al.: "Suppresion of leukotriene formation in RBL2H3 cells that overexpressed PHGPx" J.Biol.Chem.273. 1990-1997 (1998)
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[Publications] M.Arai et al.: "Mitochondrial PHGPx plays a major role in preventing oxidative injury to cells." J.Biol.Chem.274. 4924-4993 (1999)